歩道と車道の境界付近に設置された点字ブロックの上を通る車=15日、徳島市南常三島町1の国道交差点

 視覚障害者の安全な歩行を支える点字ブロックが不適切に敷設され、誤った誘導をするなどの危険を招きかねない箇所が徳島市内に複数あり、視覚障害者から改善を求める声が上がっている。道路管理者の認識不足が原因とみられ、国が望ましいとして定める設置指針に反するケースもある。こうした状況を受けて徳島大の研究者が近く、市中心部で問題のある箇所を洗い出す調査を始める。 

 徳島市南常三島町1の国道交差点南東角の歩道では、横断歩道手前で注意を促す「点状ブロック」が設置されているが、歩道と車道の境に境界線や段差は設けられていない。このため、交差点を左折する一部の車がブロックの上や間際を通っており、利用者が巻き込まれる危険性がある。

 このブロックは、国土交通省徳島河川国道事務所が2012年度の電線地中化工事に伴って設置した。同事務所は市民の指摘を受けて、25日に対策工事を始めた。ブロックを安全な位置に張り替え、歩道のたまり場を車道と区別しやすいようカラー舗装する。

 このほかにも、徳島駅前では進行方向を示す「線状ブロック」が誤った位置や方向に敷かれ、車道に誘導されかねない箇所などがある。管理状態が悪く傷みが激しい箇所も各地で見られる。

 全盲の中村一郎さん(67)=同市南昭和町4、治療院経営=は「ブロックを頼りに歩いていて、何度も怖い思いをした。当事者の声を聞いて改善してほしい」と訴える。

 点字ブロックに詳しい徳島大大学院社会産業理工学研究部の藤澤正一郎教授(福祉工学)は「障害者の視点に立って設置したとは思えない事例が多く、管理者の認識が欠けている」と指摘する。

 藤澤教授は、どこにどんな問題があるか正確に把握するため、来年1~3月に市中心部など人通りの多い地域で調査を実施。結果を障害者に確認してもらった上で、管理者に改善を働き掛ける。

 ■点字ブロック■ 正式名称は「視覚障害者誘導用ブロック」。1967年3月に世界で初めて岡山市の歩道に敷設された。1枚30センチ四方で、進行方向を示す「線状ブロック(誘導ブロック)」と、危険箇所での注意を促す「点状ブロック(警告ブロック)」の2種類があり、視覚障害者は足裏の感覚で認識する。国は基本的な設置方法を示す「視覚障害者誘導用ブロック設置指針」を85年に作成。2001年には日本工業規格(JIS)で大きさや突起の配列などの形状が規定された。