発生から1週間。長期化は避けられたようだ。近隣住民はひとまず胸をなで下ろしたに違いない。それでも、「よかった」と言うのは、はばかられる

 新潟市の小2女児殺害事件で、23歳の男が逮捕された。関与を認める供述をしているというから、動機などの解明は早く進むかもしれない。だが、事件に目を向けると、やはり胸をえぐられる

 逮捕容疑は、線路に女児の遺体を放置した死体遺棄である。当然ながら今後は殺人の疑いが視野に入る。米国ならどう進展するだろう。つい最近見た刑事ドラマが重なり、こんな疑問がふと浮かんだ

 司法取引が題材の物語だった。米国の刑事ドラマでは検事が容疑者に減刑を持ちかけ、詳しい供述を引き出そうとする場面がよく登場する。現実でも当たり前なのだろう

 日本は司法取引を法律で認めていなかったが、6月から経済事件や組織犯罪などに限り導入される。殺人や強盗は除外された。被害者感情を考慮したという。とはいえ、いずれ米国に倣い、あらゆる罪に適用しようとする風向きにならないとも限らない

 捜査に協力すれば刑を軽くする。お前次第だ―。そんな言葉が、殺人事件の取り調べで堂々と交わされる日が訪れるのか。取り越し苦労かもしれない。でも、新潟のあまりにむごい事件を思うと、到底受け入れられる気がしない。