徳島をテーマにした掌編小説コンクール「第4回徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)の全国公募が15日から始まる。前回に続き、芥川賞作家の吉村萬壱さんと小山田浩子さんらが最終選考委員を務める。過去3回とも400点を超す応募があり、全国的に知名度が高まる同賞。コロナ禍が続くが、たくさんの応募が期待される。

 阿波しらさぎ文学賞は、原稿用紙15枚以内で、徳島の文化や地名、歴史、産業、人物などを盛り込むことが条件。徳島に関心を持ってもらい地域活性化につなげるとともに、新たな書き手の発掘を目指す。

 吉村さんは父親が小松島市出身で、阿南市出身の作家北條民雄の文学にも詳しいほか、座談会などで頻繁に徳島を訪れている。小山田さんは夫が徳島県出身。徳島ゆかりの芥川賞作家2人が最終選考することで、今年も郷土発のレベルの高い作品が生まれそうだ。

 募集締め切りは6月10日(当日消印有効)。詳しい応募要領は1月15日、徳島新聞紙上で発表される。大賞の阿波しらさぎ文学賞の賞金は30万円。徳島出身および徳島在住者から選ぶ徳島新聞賞は10万円、25歳以下を対象とした徳島文学協会賞は3万円。

 徳島文学協会による1次選考を経て、8月に吉村さん、小山田さん、佐々木義登徳島文学協会長(四国大教授)、岡本光雄徳島新聞社理事の4人が最終選考を行う。受賞作は徳島新聞紙上と徳島新聞電子版で全文掲載されるほか、文芸誌「徳島文學」に転載される。表彰式と記念イベントは9月に行われる。

 第3回は過去最多の465点の応募があった。コロナ禍と豆玉焼きを題材にした作品が大賞を受賞。徳島市の繁華街、吉良のエドヒガンザクラ(つるぎ町)が描かれた作品も受賞作となった。

 よしむら・まんいち 1961年生まれ。2001年「クチュクチュバーン」で文学界新人賞、03年「ハリガネムシ」で芥川賞、16年「臣女」で島清恋愛文学賞。大阪府貝塚市在住。

 おやまだ・ひろこ 1983年生まれ。2010年「工場」で新潮新人賞、13年に同作で織田作之助賞、14年「穴」で芥川賞。広島市在住。