歌い継ぐ次代を育成

 2007年、12年の2度の国民文化祭をきっかけに、阿波人形浄瑠璃、阿波藍、阿波踊り、そして第九を阿波文化の4大モチーフとして魅力の発信に努めてきた。

 第九には世界平和、融和のメッセージがある。ドイツ兵捕虜が第九を演奏したのも、平和に対する渇望や、板東で人道的な処遇を受けて無事に祖国に帰れるという感謝の念、敗戦国も戦勝国も垣根はない、世界のみんなが仲間だという思いを込めて、この曲を選んだのではないだろうか。

 2年後の初演100年に向け、ホップ・ステップ・ジャンプの取り組みを考えている。今年1月30日、アスティとくしまで開いた2000人規模の第九演奏会がホップ。板東の史実を知ってもらうための映像を流したほか、歌い継ぐ次世代を育てようと、県立の中学生や高校生にも合唱に参加してもらった。

 来年2月の演奏会がステップ、そして再来年のジャンプへとつなげ、第九の聖地・徳島に歌いに来ませんかというメッセージの発信を強めていきたい。