海部郡特産の促成キュウリの担い手を育てる「海部きゅうり塾」の修了生2人が海陽町で結婚式を挙げ、生産者らに祝福された。町に移住した2人は「二人三脚でおいしいキュウリを作りたい」と決意を新たにしている。
挙式したのは満尾匡記さん(34)と妻の美香さん(35)。大阪で暮らしていた7年前に入籍したものの、挙式の打ち合わせが滞るなどして、式を挙げていなかった。
2人は昨年5月、入塾と同時に海陽町に移住。「海がきれいで暮らしやすく、住民はみんな親切」。町を気に入った2人は今年に入り、町内での挙式を決めたという。
結婚式は今月3日、町内の式場「遊遊NASA」であり、塾を運営するJAや町職員、同期の塾生、大阪の友人ら約30人が祝った。
7月からは、JAかいふが新設するビニールハウスを借りて促成キュウリの栽培を始める。匡記さんは「栽培に適切な温度や日射量などを研究し、夫婦で年間収量目標(10アール当たり30トン)の達成に向けて頑張りたい」と話している。
15年に開講した塾ではこれまでに24人が修了している。塾生同士が結婚式を挙げたのは初めて。塾生をサポートするJAかいふの豊田穂営業部長は「農業は夫婦で支え合うと効率が良くなる。満尾さん夫妻がモデルとなり、今後も修了生からカップルが生まれてほしい」と話した。