2018年度の吉野川市職員採用試験で新方式の導入をPRするチラシ=吉野川市役所

 吉野川市は職員採用試験(上級行政)の受験者が減少していることを受け、民間企業が行っている筆記問題を本年度の採用試験に導入する。公務員試験特有の専門的な対策は必要ないとPRし、受験者の増加につなげるのが狙い。市によると、全国的にも珍しい取り組み。

 過去10年間で受験者が最も多かったのは2010年度の139人で、以降はおおむね右肩下がりとなっている。昨年度は62人と10年度の半分以下で、14~16年度は50人台だった。景気の持ち直しや人手不足で民間企業の採用意欲が高まっている状況が背景にあるとされる。

 市はこれまで、職員採用の1次試験で教養試験に加えて、行政学や民法などの知識を問う専門試験を行ってきた。高得点をマークするには事前対策が必要とされ、民間企業を志望する学生からは敬遠されがちだった。今後は幅広く受験者が集められるよう、民間企業の筆記問題を1次試験に導入する。

 新方式では、文章読解や推理判断、基礎英語などの問題が用意され、正確さやスピードが問われる。市総務部の吉永正雄次長は「転職やUターンを考えている社会人も受験しやすくなる。新たな試みで人材を確保したい」と話している。

 受験申し込みの際に新方式か、教養と専門試験の従来方式かを選択できる。2次試験はこれまで通り、個人面接や集団討論などを行う。

 採用試験に関する情報は近く市ホームページで公表するほか、県内の大学を中心にチラシを配る。本年度の1次試験は9月中旬の予定。問い合わせは市総務課<電0883(22)2231>。