家庭内で新型コロナウイルスの感染が広がるケースが全国的に増えている。県内でも今年に入り、同居の5人全員が陽性となったり、3世代の6人が感染したりする事例が出ている。年末年始(12月29日~1月5日)に陽性が判明した21人のうち、15人は家庭内感染関連だった。濃厚接触が避けられない家族間の感染はどうすれば防げるのか。徳島大学病院感染制御部副部長の東桃代医師に聞いた。

 ―県内で家庭内感染の事案が続いた。

 湿度の低下によりウイルスの感染力が強まりやすい冬場を迎えたことに加え、感染拡大に伴い、家で過ごす時間が長くなっている。家族との接触機会も増え、家庭内感染のリスクが高まっているのではないか。無症状の人から広がるとコントロールは難しいが、何らかの症状が出た場合は、対策を徹底すれば家族間でも拡大を防ぐのは可能だ。

 ―家族に感染の疑いがある場合、どんな対策が有効か。

 個室に隔離して食事は一人で取ってもらい、トイレが複数あるのなら別々に使用する。ケアする家族は接触時に必ずマスクを着け、唾液の付着した食器を下げる時は手袋も着けた方がいい。ドアノブや電気のスイッチなど、共有部分を触った後は小まめに手指消毒をする。住宅事情により個室に隔離できない場合はマスク着用と換気の徹底を。エアコン使用中は感染疑いのある人の風下で過ごすのを避けるなど、室内の空気の流れにも注意してほしい。

 ―感染リスクを下げるため、家庭で普段からできることは。

 特にリスクが高いといわれる食事の場面では、箸や皿を共用せず、個別に用意する。料理もできるだけ小皿に分け、大皿料理を皆でつつくのは避けてほしい。他の感染症と同様、トイレの清掃や吐瀉(としゃ)物の後始末はエプロンや手袋、フェースガードを着けるなど万全にしてほしい。小さい子どもに風邪の症状がある場合、新型コロナの可能性を念頭に対応した方がいい。親は常にマスクを着用し、食事時間もずらすといいだろう。

 ―県内でも感染者数の増加ペースが速まっている。

 人の動きが活発な年末年始を経て、今は感染が広がるかどうかの正念場。特に、重症化しやすい高齢者の感染が懸念される。高齢者のいる家庭は家族間でも距離を取り、マスクなしでは大声で話さないよう気を付けてほしい。マスク着用と手指消毒が基本だ。マスクは▽鼻と口を確実に覆う▽ウイルスが付着する外側は触らず着脱する▽ワイヤ入りの不織布など隙間なく鼻にフィットするものを選ぶ―がポイント。消毒液はアルコール成分が70%台後半程度の割合で入っている効果の高いものを使うなど、正しい感染対策に努めてもらいたい。