名西消防組合消防本部

 仮想通貨を用いた投資事業に消防士らを勧誘して紹介料を受け取ったとして、徳島県の名西消防組合、鳴門市両消防本部の20代の消防士3人が昨年、口頭注意処分を受けていたことが両本部などへの取材で分かった。紹介料の受け取りは地方公務員法が禁止する営利行為に当たる可能性がある。県内の他の消防でもこの投資事業に関与した消防士が確認されており、県は「利益を得ている場合は地公法に抵触する恐れがある」として、全消防に服務規律の徹底を指示した。

 名西消防組合消防本部によると、他の消防からの通報を受けて7月以降に調査したところ、20代の消防士2人が紹介料を受け取ったことを認めた。1人は内部の消防士1人と外部の知人1人、もう1人は内部の消防士1人をそれぞれ勧誘して受け取っていた。受け取りは仮想通貨で行われたとみられる。

 同本部は2人を懲戒処分にしなかった理由について「常に一定額の報酬を約束されておらず(営利行為と認める)法的根拠に欠ける」としている。このほか、紹介料は受け取っていないものの、投資していた消防士が2人おり、いずれも口頭で注意した。

 鳴門市消防本部でも、消防士1人が他の消防組合の消防士から紹介料を受け取ったことを認めた。同本部は「すぐに謝罪して返金している」などとして懲戒処分はせず、口頭注意にとどめている。また、投資した消防士も1人いたが、「個人の投資の範囲」として注意はしていない。

 徳島市消防局も、他の消防からの通報を受け、7月以降に内部調査を実施。紹介料を受け取った消防士は確認できなかったものの、20代の消防士数人が投資した事実を把握し、口頭で注意した。

 県消防保安課によると、県内の消防士によるこうした行為について、消防庁にも通報があり、10月に同庁から県に調査の要請があった。県は各消防に聞き取り調査を行うなどした上で、全消防に服務規律の徹底を指示した。

 仮想通貨による投資事業 事業者のホームページなどによると、インターネット上で仮想通貨を用いて投資を行うことで配当を獲得でき、新規会員を勧誘した場合には紹介料も得られる仕組みになっている。事業者の実態やもうけの仕組みがはっきりしない上、海外に拠点を置く事業者も多く、解約や返金が困難な場合もあり、県消費者情報センターが注意を呼び掛けている。