新型コロナウイルス感染拡大を受けて、徳島県内の23市町村が1月に開く予定だった成人式を延期や中止にした。延期した自治体の多くで新たな開催時期が決まっていない中で、20歳の今しか残せない自身の姿や思い出を記録して、コロナ禍で再認識した友人や家族との絆をより深めようと、写真館などで記念撮影する新成人が増えている。

 県内で2店舗を展開する阿部写真館の本店(石井町)では、今シーズンの新成人の撮影が始まった昨年3月から今年2月までの件数(予約含む)が前年同期の1・5倍となる約150件に増えた。当初はコロナ禍で例年より少なかったものの、感染第1波が落ち着いた6月以降に増え始め、成人式の延期などが発表された12月からさらに増えた。

 変化は撮影スタイルにも表れている。女性が個人または家族と一緒に撮るケースが多いのは昨シーズンまでと同じだが、今期は友人グループでの撮影が12件(前年同期5件)、男性が家族同伴で撮る形式が10件(同5件)と、それぞれ倍増しているのだ。

 阿部写真館の矢部利美マネジャー(43)は「コロナ禍で日常生活を制約される中で家族や友人とのつながりを改めて感じて、一緒に写真を撮ることで思い出を形にしたいと考えた新成人が多いようだ」と分析する。

 創価大(東京都)2年の岡本真由美さん(20)=石井町=は2日、高浦中学校の同級生5人と写真館を訪れた。全員で出席する予定だった成人式は延期になったものの、20歳の節目を迎えた今の自分たちの姿と友情の証しを残そうと話し合って撮影を決めた。

 岡本さんは昨春から徳島でリモート授業を受ける状況が続いており、先が見通せない中で不安になっていた時期を友人の支えで乗り越えられた。晴れ着姿で集合写真などを撮り終えると「これからも友情を大切にして一緒に成長していければ」と笑顔を見せた。

 

 神戸学院大(神戸市)2年の森本悠雅さん(20)=石井町出身=は同日、家族5人と共に撮影に臨んだ。コロナ下の暮らしぶりを心配した母親が連絡をくれたり、マスクや食品を送ってくれたりしたことで家族のありがたみを再認識し、感謝の気持ちを込めて一緒に撮ることにした。

 スーツを着て家族全員や兄弟3人で写真に収まった森本さんは「みんなが支えてくれたからここまで成長できた。早く自立して恩返しできるようになりたい」と抱負を述べた。

 このほか、貸衣装店や結婚式場を運営するときわ(徳島市)が式場を使って3日に開いた撮影イベント「#ハタチ会」には、徳島市の新成人と家族合わせて約60人が参加してにぎわった。イベントは10日にも予定されており、約60人の予約が入っている。