感染確認を受け、高齢者施設を調べる職員=12日午後3時ごろ、徳島市八万町

 徳島県は12日、20~90代の男女35人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。一日に確認された感染者数としては過去最多。このうち34人は徳島市八万町の有料老人ホーム「クレア城南」の入所者や職員で、県は県内7例目のクラスター(感染者集団)と認定した。感染者は累計265人になった。

 県によると、クレア城南は50室あり、定員は50人。現在、44人が入所している。このうち24人(70代男性2人、70代女性2人、80代男性1人、80代女性14人、90代男性1人、90代女性4人)が感染した。職員は31人のうち10人(20代男性1人、30代男性2人、30代女性1人、40代女性2人、50代女性3人、60代女性1人)の陽性が判明した。

 1日に入所者の80代女性に38・4度の発熱の症状が現れた。別の入所者にも発熱の症状が相次いだため、かかりつけの医療機関が簡易的な抗原検査をしたところ、入所者7人と職員1人の陽性が判明。11日に連絡を受けた県が全ての入所者と職員にPCR検査を実施し、34人の感染が分かった。

 最初に発熱の症状が現れた80代女性が酸素吸入の処置を受けており中等症。16人は発熱や咽頭痛などがあり軽症、17人は無症状という。感染経路は調査中。

 飯泉嘉門知事は会見で、施設職員が入浴や食事の介助の際にサージカルマスクやフェースシールドを着けていないケースがあったと指摘し「感染対策が十分に取られていなかった」と強調。感染拡大防止に関する条例に基づき施設名を公表し、「(最初の発熱者を把握した1日に)県に連絡があれば、(感染状況は)全く違う様相になっただろう」と述べた。

 クレア城南を運営する介護事業クレア(藍住町)の代表は徳島新聞の電話取材に「発熱者は医師の指示に従って対応した。施設の感染対策については厚生労働省の通達に準じていた」と話した。

 県は入所者と職員の濃厚接触者計20人のPCR検査を行う。この施設以外の八万地区の介護施設15カ所を対象に近く聞き取り調査を行い、入所者や職員の健康状態をチェックする。県内の施設長らを集めた会議も近く開き、感染防止の徹底などを呼び掛ける。

 施設関連以外で感染が確認されたのは藍住町の20代男性会社員。昨年12月29日に味覚・嗅覚障害の症状が出て、今月10日に医療機関を受診して感染が分かった。県は家族や友人ら14人が濃厚接触者に当たるとして、PCR検査を行う。