すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する―。日本国憲法26条は実現されているだろうか

 高校卒業後、およそ8割が大学、専門学校へ進学する。高等教育を受けないことは今や、相当な不利益となる。にもかかわらず、生活保護家庭で進学するのは3人に1人、児童養護施設出身者は4人に1人にとどまる

 理由は明白。お金がないからである。こういうことをなくすのが、国の仕事ではないか。金持ちを優遇する控除制度を廃止すれば、財源も確保できよう

 不登校の子どもたちへの施策も不十分だ。一般の小中学校は非常に画一性が高く、どうしてもなじめない子がいる。全く学校へ行かなくても卒業証書はもらえるが、学力がついていかず、高校で中退する子も多い

 学び直しの場として一つ、年齢も境遇も違う人たちが通う夜間中学が有効だ。不登校以外にも、何らかの事情があって学べなかった人がいる。潜在的需要は大きいのに、全国でまだ31校、四国には1校もない(徳島県は検討中)

 以上は、徳島市であった前川喜平元文部科学事務次官の講演の一部である。予定の倍、千人近くに膨らんだ聴衆の目当ての第一は、「あのこと」だったようだが、それだけではない熱気があった。国民は信じるに足る言葉に飢えている。