格闘技やサッカーなどのコンピューターゲームで対戦相手と競う「eスポーツ」。海外では数億円の賞金が出る大会もあるなど人気が高まっている。このeスポーツの世界で国内でも数少ない女性プロ選手として活躍するのが、徳島市出身のたぬかなさん(25)だ。5月4日に同市であったアニメの祭典「マチ★アソビ」でeスポーツの普及イベントに出演したたぬかなさんが、プロを志した経緯や今後の目標を語ってくれた。

 私がコンピューターゲームを始めたのは小学校に入学した頃です。ファミコン世代でゲーム好きだった父の影響で、ファミコンやプレイステーションのストリートファイター2やドラゴンクエスト、テトリスなどに夢中になっていました。

 現在プロとしてプレーしている格闘ゲーム「鉄拳」に出会ったのは高校2年の時。幼なじみの女の子から、男子の間ではやっていると教えられて始めました。最初は全然勝てなかったけど、相手を倒したいという思いからハマっていきました。

 毎日、放課後はゲームセンターに通って、自分と実力が近い人と対戦していました。格闘ゲームをする女性は珍しかったし、幼なじみの女の子2人と一緒に制服でプレーしていたから、プレーヤーの間では結構有名になっていましたね。

 ひたすら実戦を重ねる中で、20歳を過ぎる頃には徳島県内で一番強くなっていました。県外や海外の大会にも出ていたんですが、その頃は設計事務所や大手衣料品チェーン店で働いていて、プロゲーマーになるとは思っていませんでした。

 でも23歳の時、現在所属している大阪を拠点とするプロeスポーツチーム「CYCLOPS athlete gaming」がプロゲーマーを公募しているのを知って「話くらいは聞いてみようかな」という軽い気持ちで応募しました。

 実際に話を聞いてみると、お給料などの待遇面が良かったし、好きなだけゲームができるという環境が魅力的で、プロになりたいという思いが強まりました。合格できたのは、技術面の評価に加え、女性なのでPR効果も期待されたんだと思います。

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