災害復旧などの活動に備えて陸上自衛隊で訓練に励む三浦慈緒さん=阿南市那賀川町の徳島駐屯地

西日本豪雨の被災者に生活水を配給する三浦さん(手前左)=2018年7月、愛媛県大洲市の旧大和小(陸自提供)

 陸上自衛隊徳島駐屯地第14施設隊(阿南市那賀川町)に所属する三浦慈緒さん(22)=徳島市北矢三町出身=は、城西高校3年だった2016年に起きた熊本地震を機に入隊を決意した。人命救助や災害復旧の最前線で活躍するため日々訓練に励み、18年の西日本豪雨で大きな被害が出た愛媛県での活動も経験。徳島に甚大な被害をもたらす南海トラフ巨大地震の発生が予想される中で、災害対応への思いを強めている。

 三浦さんは母親に勧められたのをきっかけに中学、高校時代に地域の清掃奉仕に計30回以上参加する中で「人の役に立ちたい」という思いを強めていった。そんな時に熊本地震で人命救助に奔走する隊員の姿をテレビで見て「この人たちのようになりたい」と憧れを抱き、高校卒業後に入隊。半年間の基礎訓練を経て第14施設隊に配属された。

 日頃は、陸自と徳島県内の自治体が連携して行っている防災訓練で地震や大雨で損壊した橋や道路の復旧に必要な技術を磨いているほか、香川、愛媛両県の演習場では戦闘中に前線部隊を支援するための陣地の組み立てや障害撤去などの実践を積み重ねている。

 この成果を初めて現場で生かす機会になったのが、西日本豪雨で河川の氾濫や土砂災害に見舞われた愛媛だった。断水が起きた大洲市の旧大和小学校で給水車を使った生活水の配給に8日間従事し、土砂崩れが発生した宇和島市吉田町の荒巻地区では土砂やがれきの撤去に7日間当たった。

 災害現場を目の当たりにした時の心境を三浦さんは「それまでの生活が一瞬で失われた悲惨な状況に強いショックを受けた」と振り返る。同時に「悲しむ被災者のために早く復旧してあげたい」との思いがこみ上げ、疲労でシャベルを持つ手がしびれて思うように力が入らなくなっても懸命に土砂の除去を続けた。

 自然災害では土砂の崩落や家屋倒壊による二次被害の恐れがあり、素早い状況判断と行動が重要だということも学んだ。こうした経験を基に、いつ、どこで起きるか分からない災害に即応するため、日頃の体調管理や機材の準備をより入念に行うようになった。

 たゆまぬ訓練と現場経験を糧に「人の役に立てる存在」として着実に成長している三浦さん。今後の目標を「南海トラフ巨大地震をはじめとした国内の災害に加え、海外の被災者の力にもなれれば」と語り「そのためにも技術や知識、体力をもっとつけて、重機の運転資格も取りたい」と意欲を見せた。

  (鈴江宗一郎)

 災害復旧などの活動に備えて陸上自衛隊で訓練に励む三浦慈緒さん=阿南市那賀川町の徳島駐屯地