四国の高速道路を構成する四国横断自動車道のうち、徳島市内の一部区間が2020年度中に完成する。四国横断道とは、徳島県阿南市を起点に徳島市、高松市を経て愛媛県大洲市市に至る全長約440キロの高規格幹線道路だ。完成が予定されているのは徳島津田インターチェンジ(IC)ー徳島沖州IC間で、日常的に渋滞が発生するため優先的に工事が進められていたという。

 この区間に架かる約500メートルの「新町川橋(仮称)」は、橋脚間の長さを表す支間長が250メートルと、連続橋桁橋の支間長としては国内最大級となり、工事は4回に分けて行われる。開通すれば渋滞の多かった約2キロの距離をスムーズに通行できることが期待される。このほか、阿南ICー徳島津田IC間も段階的に建設計画が進められている。

 

 この区間は四国4県を8の字状に結ぶいわゆる「四国8の字ネットワーク」の中の空白地帯で、早期整備が求められている。開通すれば慢性的な渋滞の緩和や安全性の向上に寄与するほか、さまざまなメリットが期待されている。

 まず、京阪神方面への農水産物出荷などに効果を発揮する。県内漁獲量の50%を占める阿南市以南の沿岸では水産業が盛んに行われているが、高速道がつながっていないため輸送時の品質確保などに難があった。阿南ICー徳島津田IC間と徳島東ICー鳴門IC間の整備によって、海陽町から神戸市までの所要時間は約41分短縮され、3時間程度で到達できるようになるという。この結果、輸送コストの削減や販路拡大が図れる。

 重症・重篤患者を対象とした三次医療施設へのアクセスもよくなり、阿南市からの緊急搬送がより迅速にできるようになる。阿南市以南には三次医療施設がないため、重篤患者は徳島市や小松島市の医療施設に搬送を余儀なくされており、現在の著しい渋滞が発生している道路では患者の救命率に影響を及ぼしてしまう。道路の開通で搬送時間が短縮されることで、後遺症の減少や患者と救急隊員の負担軽減が見込めるという。

 

 また、災害時の緊急輸送路としても活用でき、救援・救助や被災者への支援、物資確保などにも役立つ。近い将来に発生が予想されている南海トラフ巨大地震などの際には代替路として活躍できるほか、道路の盛り土部分が津波発生時の防波堤として機能することで被害を減らせることも期待されている。

 開通時期は、円滑な事業実施環境が整った段階で確定される予定だ。開通に伴って道路の名称は「徳島南部自動車道」となり、徳島ジャンクション(JCT、仮称)は「徳島JCT」に、徳島東IC(仮称)は「徳島沖洲IC」、津田IC(仮称)は「徳島津田IC」となることが正式決定した。

 徳島沖洲ICー徳島JCT間は21年度中をめどに開通予定となっている。徳島JCTー徳島沖洲ICは有料区間で、徳島沖洲ICー徳島津田ICは無料区間となっている。