巣の上で羽ばたきながら飛び上がる雌のひな。右はもう1羽の雌のひな=16日午前8時半ごろ、鳴門市大麻町

 鳴門市大麻町で生まれたコウノトリの雌のひな2羽が、巣の上で盛んに羽ばたき、浮き上がる動きを繰り返している。3月13日ごろとみられる誕生日から2カ月が経過し、巣立ちが間近に迫ってきた。

 ひな2羽が羽ばたく動きを見せ始めたのは3日ごろ。日ごとに翼の動きは大きくなり、16日午前には2羽が順番に巣から50センチほど真上に飛び上がった。観察者によると、1羽は15日に1秒間ほど浮遊したという。

 2羽とも食欲は旺盛で、親鳥2羽とほぼ同じ大きさに成長。運ばれてきた餌を勢いよく食べている。親鳥は巣立ちが近づいているのを感じてか、近くの電柱や田んぼに降り立ち、ひなから離れて見守る時間が長くなってきた。

 県内の官民でつくるコウノトリ定着推進連絡協議会によると、野外で生まれたひなが巣立つのは、ふ化後、平均約68日とされ、今月20日ごろを見込んでいる。

 同市内では15日時点で、この親鳥2羽とひな2羽に加え、昨年6月に巣立ちした「蓮」「なる」を含む計10羽が確認されている。