写真を拡大 館内は飲み物持ち込みOK、小声でのお話OK、タブレット持ち込みOKになっている。

 昨年4月に誕生した吉野川市民プラザ。アリーナやトレーニング室を備えたモダンな複合施設で、その3階に図書館がある。鴨島町には図書室はあったものの、図書館ができたのは意外にもこれが初めてだ。

 低めに設計された書棚が空間の広がりを感じさせ、間接照明やカフェのようなペンダントライトが柔らかな明かりを灯す。館内は10万冊が所蔵可能で、現在は約5万5000冊が収まる。3分の2以上が開館時に購入された新品で、毎週50、60冊の新刊が加わっている。

 館長の谷高博さん(62・吉野川市出身)は「私たちの目標は本のソムリエです。これもいかがですか?と提案して、興味の扉を開いていけたらいいですね」と穏やかに話す。お勧めの本は表紙が見えるように陳列され、あちこちで足がとまる。スタッフが選書する月替りの特集展示では「短編を読む、冬」「行った気分で日本旅・世界旅」など多様な切り口で楽しませてくれる。

 ブックホテル「箱根本箱」や入場料のある本屋「文喫」などをディレクションしている染谷拓郎氏らが選書した書棚も人気だ。3時間で読み切れる面白い本を集めた「3時間の熱狂。」や、何回読んでも新たな発見がある本をセレクトした「いままで、そしてこれからも。」といったテーマで新しい世界へ誘う。

 事務所にはアイデアボードがあり、スタッフが思いついたこと、やりたいことを付箋紙に書いて貼っているとか。これまでには、7冊以上借りるとくじがつき、抽選でプレゼントが当たる読書宝くじや、「怖い本」「夢を見たい人」といったテーマごとに3冊を入れた福袋など、ユニークなアイデアを実践してきた。通帳型の記録帳、読みたい本を入れるカラフルなかごバッグ、本の除菌機などちょっとした心遣いが随所に光る。本を選んで学童や小中学校、老人ホームや医療施設に定期的に届ける配本も行っている。

 「小回りが利く図書館だからこそできること、図書館の可能性を探していきたいです」と谷館長はじめ、6人のスタッフが情熱を注ぐ。

写真を拡大 一人掛けの閲覧席。奥は電源を備えた学習室だ。
写真を拡大 絵本のような空間が広がる「おはなしの部屋」。読み聞かせはここで開催。

住所=徳島県吉野川市鴨島町鴨島252-1
0883-22-2004
開館時間=9:00~19:00
定休日=水曜・火曜、月末の最終平日(1/29、2/26)、特別整理期間(2/4~2/10)

駐車場:あり
多機能トイレ:あり
Wi-Fi:あり
キッズスペース:あり
開設:2020年