徳島を元気にする事業アイデア・プランコンテスト「とくしま創生アワード」の最終審査会が1月22日、徳島市の阿波観光ホテルであり、各部門から計3組がグランプリに選ばれた。59件の応募から、書類審査を通過した9件と学生賞1件がそれぞれのプランを披露。サポーターを務める徳島ゆかりの起業家や実行委のメンバー、金融機関の担当者らが会場やオンラインで審査した。全ての事業プランとグランプリ受賞者の思いを紹介する。

 ≪主催≫ とくしま創生アワード実行委員会(徳島県、徳島新聞社、徳島県信用保証協会、徳島経済研究所、徳島大学、徳島文理大学、四国大学)

 ≪協賛≫ 阿波銀行、徳島大正銀行、JAバンク徳島

 

■アイデア部門・グランプリ

 山本大貴君(生光学園小6年) 「コドモの農業・地域創生事業『アワセテ』」

みんなの喜び生みたい

 農業体験をしたい子どもと、作業を手伝ってほしい農家、地域の店舗の3者をつなぐアイデアを発表した山本大貴君(12)は、小学生ならではの経験と視点でこの事業を思いついた。

山本大貴君

 きっかけの一つは、子ども向け職業体験施設に行ったこと。パイロットや医者などの体験をすると報酬として施設内で使える通貨がもらえる仕組みに興味を持った。また、コロナ禍で外出が減った分、サツマイモや梨を育てる祖父母の手伝いをする機会が増加。祖父母に喜ばれる上に楽しい経験だったことから、両者を組み合わせて催しや事業にしてみてはどうかと考えた。

 アイデアを形にする際には、地域の課題を解決する企画を考える「ソーシャルチェンジ」という小学校での取り組みがヒントになった。糖尿病、ごみ、空き家問題といったテーマに対し、みんなで力を合わせて独自の解決策をまとめる内容。クラスの仲間と取り組んだ経験を生かし、農家だけでなく、子どもと地域にとってもうれしい事業にしようと考えた。

 父の勧めで創生アワードへの応募を決めた。アイデアを紙に書き出し、父と一緒に応募書類や発表用のパワーポイントにまとめていった。「いろいろな想像を膨らませるのが好き。(アワードに)出してみたらどんな反応があるかなとわくわくした」と話す。

 小学校の先生やクラスメートたちも大きな舞台に立つ山本君を後押しし、最終審査会当日の午前中、先生の計らいで5、6年生の前でプレゼンテーションの予行練習をすることに。自宅以外で練習するのは初めてとあって、緊張しながらも最後まで発表。「すごい」という言葉をもらい、自信を持って本番に臨むことができたという。

 アイデアの実現に向けて、本年度中にイベントを開こうと計画中。協力者のアドバイスを受けて、鳴門市の観光いちご園を訪問するなど新しい一歩を踏み出している。「アワードに挑戦して自信がついた。農家さんに協力してもらってイベントをしながら、より良いプランにしていきたい」と笑顔を浮かべた。

 事業内容の紹介 農業を体験したい子どもたちと、作業を手伝ってほしい農家をつなぐ仕組みを作り、農家のモチベーションアップと農業に興味を持つ人の増加につなげる。手伝いをした子どもに支払う報酬は、地域の協力店舗で使える「通貨」を活用する。子どもは楽しみながら仕事体験と社会勉強ができ、農業への関心が高まるきっかけになる。農家にとっては人手確保ややりがいの創出、地域の店舗は売り上げアップをそれぞれ見込む。子どもと農家、店舗の3者にメリットがある事業構想で、徳島のみならず全国の地域活性化を目指す。

■最終審査出場者

 徳島大理工学部4年・高見昂佑さん(22) 「まるクア」

 水辺生かした憩いの場創出

 徳島の身近な水辺を生かした新しい休憩空間を提供する。親水公園や船着き場などに透明な大型バルーン(ウオーターボール)を設置。社会人向けに休憩所として貸し出し、ボール内からの風景を楽しみながらリフレッシュしてもらう。予約などは専用のアプリで受け付け、指定した場所に行くだけで手軽に利用できる。予約機能だけでなく、個別の休憩計画に基づいた通知機能や利用記録サービスも追加。身近な自然と恵まれた情報通信環境をPRし、テレワーカーらの移住促進をもくろむ。

 

 とくしま釣りの輪(徳島市)事務局長・阿部司さん(44)、横手賢太郎さん(44) 「とくしま釣りの輪」

釣り人と業者結び 観光資源に

 全国で行われている磯釣りの原点「阿波釣法」を筆頭に、徳島発祥の道具や場所がある釣り先進地の県内で、釣り具や遊漁船などの関連業者と釣り人が連携し、活性化を目指すネットワークを築く。観光資源としての活用、環境保全活動、初心者をサポートする講師の養成、安全に親しめる体制作りといった釣りを軸とした取り組みを、各種団体と企業がそれぞれの強みを生かして実施。「釣りのメッカ・徳島」の魅力を多方面で発信し、交流人口増加のきっかけをつくる。