新型コロナウイルスの影響で市民マラソンの中止が続く中、スマートフォンを利用した「オンラインマラソン」大会が徳島県内でも浸透しつつある。2月1日から開催中の「海部川風流(ふる)マラソン」に続き、3日に中止が発表された「とくしまマラソン2021」もオンライン大会は予定通り実施が決定。鍛錬の成果を発揮する場を失った市民ランナーに、走る喜びを提供する試みが広がっている。

海部川風流マラソンon the webに参加している福田康治さん、静さん夫妻=海陽町浅川

 「海部川風流マラソンon the web」は、21日まで開催。主催する海陽町が昨年9月のオンライン開催で話題を呼んだ「オホーツク網走マラソン」を参考にして実施を決めた。担当者は「12年間続けてきた大会を途切れさせるのは寂しく、地元経済への影響も気に掛かるのでオンライン開催に踏み切った。大会の存在をアピールし、来年の通常開催につなげたい」と期待を込める。

アプリで大会期間中の累計距離やタイムを確認できる

 参加者はGPSトレーニングアプリ「TATTA(タッタ)」を使って距離を計測。計測回数に制限はなく、期間内での完走を目指す。タイムを競うのではなく、42・195㌔以上走ることも可能。走行距離が随時記録され、合計距離の全国順位もすぐ確認できる。阿波尾鶏や伊勢エビの各種セットなど地元特産品が参加費に応じて送られる。

 スマホなどのGPS機能を使って好みの場所を走り走行距離やタイムを競うオンラインマラソンは、参加者が一斉に走ったり、沿道からの声援を受けたりする従来の市民マラソンの魅力は味わいにくいが、一方で開催地に行く必要がなく、スタート時間も自分で自由に設定できるという特長もある。

アプリで経過を確認する福田さん夫妻=海陽町浅川

 宇都宮靖士さん(41)=歯科医師、鳴門市=は「大会の雰囲気を味わえないという点では物足りないが、来年には通常開催できるよう願いを込め、運営を応援するつもりで参加した」と話している。

 第1回大会から参加している福井小校長の福田康治さん(58)、学校事務職員の静(しず)さん(56)夫婦=海陽町大里=はオンラインで月に2~3大会に並行して参加もしており「旅費が必要なく、全国のいろんな大会に好きなだけ気軽に参加でき、走るモチベーションが持続する」と歓迎している。

 「とくしまマラソン2021オンライン」は3月15日から28日まで開く。定員は1万人。2次エントリーは2月19日から受け付ける。参加費は無料(エントリー手数料220円)で、特産品などが当たる抽選会を行う。大会方式は海部川風流マラソンと同じで、TATTAで距離を計測。期間中の計測回数に制限はなく、表彰も成績発表もない。

 県内ではこのほか、「とくマラ」の中止を受けて鳴門市の住民団体「鳴門縁(えにし)の会」が昨年3月に「とくしまオンラインマラソン」を独自に開いた。スマホの専用アプリで計測した記録のほか、走る姿の写真や感想など県内外から100件を超える投稿があった。

 全国的には、愛犬と一緒に走ったり、参加者全員で地球一周約4万㌔を走破したりするユニークな企画も生まれている。