2016年5月に徳島市の県道を自転車で横断中だった女性=当時(26)=を乗用車ではねて死亡させたとして、徳島区検は自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪で、市内の幼稚園助教諭の女(38)を略式起訴した。10日付。徳島簡裁は12日、女に罰金60万円の略式命令を出した。徳島地検は過去2度にわたり女を不起訴処分としていた。徳島検察審査会が20年10月に出した「起訴相当」の議決を受け、3度目の捜査をしていた。

 命令によると、女は16年5月22日午前8時40分ごろ、徳島市北矢三町3の県道で、制限速度を8キロ上回るスピードで乗用車を運転。助手席に置いたかばんの方を見ていて前方の安全確認が不十分になり、左側から自転車で県道を横断してきた女性をはねて死亡させた。

 地検の花輪一義次席検事らによると、女が脇見運転などをしていなかった場合の事故回避の可能性について精査した結果、「避けられる事故だった」と認定した。過去の捜査では、女性が県道の横断を始めてから衝突までの時間の短さから、「避けられない可能性があった」としていた。

 花輪次席検事は「判断の難しい事件だった。いろいろ緻密に捜査した結果こうなった」と話した。

 地検が16年12月に女を不起訴処分としたのを受け、被害者側が高松高検に不服申し立てをした。地検は再捜査した結果、17年12月に再度不起訴処分とし、徳島検察審査会が20年10月に「起訴相当」と議決していた。

 審査申立人の代理人弁護士は「難しい案件だったと思う。検察庁として勇気を持った判断をしてくれた」と話した。