「はぐくみ20周年記念絵本 おでかけ」

 徳島での子育てを応援する「はぐくみ徳島実行委員会」が、「20周年記念絵本 おでかけ」を制作した。新型コロナウイルス感染拡大を受けて昨年中止した次世代支援イベント「おぎゃっと21」の代替事業。人間に化けたタヌキが「おぎゃっと21」で過ごした1日を描く。ストーリーは鳴門市在住の児童文学作家くすのきしげのりさん(59)、絵は阿南市在住の絵本作家羽尻利門さん(40)が担当した。2人は「絵本を通して、『未来』への希望を感じてほしい」と話している。

 絵本の主人公「まめ太」一家は人間の姿に化けて「おぎゃっと21」を訪れた。人間の子どもたちを前に緊張するまめ太。でも、あることがきっかけで「いっしょにあそぼう」と声をかけることができた。そして始まるステージショー。軽快なリズムに、まめ太たちも思わずダンスに夢中になってしまい・・・・・・。

 冒頭、登場する人物はみんなマスクをしているが、「おぎゃっと21」の場面で一転、マスクをせずに出掛ける人々の笑顔があふれている。くすのきさんは制作に込めた思いを語る。

 「子どもたちは思うように遊ぶこともできず、我慢の日々を送っている。だけどコロナもいつか終息する。いつか来る『楽しい1日』を届けることで『今は大変だけど、もう一息頑張ろう』と伝えたかった」

 圧巻なのが「おぎゃっと21」の描写。細密な筆致と明るい色彩で見事に再現。子どもも大人もタヌキも生き生きとした表情で愛らしく、ページを開くだけで絵本の世界に引き込まれる。遊び心たっぷりの仕掛けもちりばめられ、読み返すたびに発見がある。羽尻さんも「見た人が笑顔になれるように工夫した。楽しい日々が戻ることを信じ、『未来』への光を意識して描いた」と言う。

 徳島県在住の2人がタッグを組むのは2度目。「おぎゃっと21」やタヌキといった徳島色豊かな素材を生かして、「絆」「希望」を鮮やかに表現した。絵本は5月からウェブサイトで公開する。

 くすのきさんは「世界中の子どもたちがみんな、出掛けたくてうずうずしている。絵本が徳島を知るきっかけにもなる。コロナ終息後のいつか、数多くの子どもたちが徳島に来て、『おぎゃっと21』に集まる日がくるのを願っている」。

 「はぐくみ20周年記念絵本 おでかけ」はA4変形判、32ページ。県内の3~5歳児の人数に相当する1万7千冊を作り、各自治体に順次配布する。配布方法は電子版紹介ページ(⇨こちらをクリック)を参照するか「はぐくみ徳島ウェブサイト」(https://www.topics.or.jp/list/ogyatto)に掲載する。合わせて絵本をウェブ公開する(ダウンロード可能。公開期間は2021年5月1日~22年8月末日)。