新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が国内でも17日から始まった。徳島新聞「あなたとともに~こちら特報班」が公式LINE(ライン)登録者に接種を希望するかどうか尋ねたところ、「接種したくない」と答えた人が3割近くに上った。副反応を心配する声が根強く、医療従事者からは先行接種への不満も聞かれた。一方、接種を望む人の多くは、周囲に感染を広げることへの不安を理由に挙げた。

 16、17両日にラインを通じてアンケートを行い、346人から回答があった。接種について「したい」または「したくない」の選択肢から選んでもらい、その理由を聞いた。回答者の年代は「18~29歳」から「90歳~」まで幅広く、40~60代が全体の7割以上を占めた。

 「したい」と答えたのは245人で、90代を除く全ての年代で6割を超えた。多くの人が周囲への影響に敏感になっており、「周りの人のために打った方が良い」(徳島市・20代女性会社員)、「高齢の両親に感染させないために免疫を早くつくりたい」(徳島市・50代男性会社員)、「感染拡大を防ぐ唯一の手段」(徳島市・70代無職男性)といった声が寄せられた。

 感染後の生活に対して不安を抱く人も多かった。飲食店を営む三好市の50代男性は「ウイルスも怖いが、風評被害などによる経済的な恐怖もある。お客さんにとっては安心基準の一つとなる」と指摘。認知症の父親を介護している徳島市の60代男性は、自分が感染したら父親が介護サービスを利用できなくなるとして「選択の余地はない」と危機感を募らせる。「副反応よりも後遺症や誹謗(ひぼう)中傷の方が怖い」といった意見も複数あった。

 「したくない」と回答したのは101人。「情報が少なすぎて判断するに至らない」(徳島市・40代女性介護職員)、「国が承認していても健康被害が出て裁判になったワクチンの例もある。承認が早すぎて安心安全か、まだ分からない」(阿南市・40代医療従事者)など、副反応に関する意見が大勢を占めた。

 徳島市の60代女性は、米国在住の親戚がワクチンを接種して痛みや発熱、倦怠(けんたい)感などに見舞われたことを明かし、「個人差はあるものの何らかの副反応が出るのは必至」と不安視する。

 別のワクチンで発疹やかゆみなどのアレルギー反応が出た経験や免疫不全の疾患を持つ人も、接種の必要性を感じながらも体質や疾患への影響が不透明として慎重な姿勢を示した。米製薬大手ファイザー製が接種されていることから「国産ワクチンを待つ」との意見もあった。

 医療従事者の間でも意見が割れている。積極的に接種を望む人や「社会的義務として受け入れる」といった声が多いものの、3割は「したくない」と消極的だった。徳島市の40代女性は将来的な健康被害への不安が拭えないとし、「先行して犠牲にならざるを得ないとは・・・。万が一のことがあったら、私の子どもたちは誰が育ててくれるのか」と懸念を隠さなかった。

 県内では医療従事者に対する優先接種が3月中旬に始まり、65歳以上の高齢者らを対象とした住民への接種は4月1日以降となる見通しだ。