優勝が決まると、コーチ陣と握手を交わし、選手が待つマウンドへ向かった。選手に胴上げされて何度も宙を舞った後、「みんなで喜ぶことができたことがうれしい」。日焼けした笑顔がカクテル光線に照らされ、一層輝いた。

 1月の監督就任から5カ月足らず。チームを5期ぶりの優勝に導いた。4月は首位に最大で3ゲーム差をつけられながらも2位をキープ。5月に入って攻勢を強め6連勝などで首位に立ち、追撃を振り切った。「勝つことにこだわった結果、チームが一体となった」と言い、選手個々の成長が大きかったことを強調した。

 現役時代は投手として福岡ダイエーホークス(現ソフトバンク)をはじめ、国内外のプロ球団を渡り歩いた。選手にはプロの厳しさを教える一方、本人の気持ちになって寄り添う。コーチ陣ともコミュニケーションを取るように心掛けてきた。

 「勝つことでやってきたことが間違いでなかったと思える。優勝できたことは(自分の)大きな自信になった」と話す。

 前期優勝がゴールではない。3年ぶりのリーグ制覇と2度目の独立リーグ日本一へと挑戦は続く。「また一からチームづくりをして後期に臨むだけ」

 気掛かりなのは、球場を訪れるファンが少ないこと。「まだまだリーグに目が向いていない。勝つことで多くの県民の目を引きつけたい」と意気込む。神奈川県鎌倉市出身。徳島市内で1人暮らし。43歳。