乃木坂46のメジャーデビュー9周年を祝う「9th YEAR BIRTHDAY LIVE」が23
日開かれた。2012年2月22日に「ぐるぐるカーテン」でメジャーデビューしたのを記念して毎年2月に開いているグループにとってもファンにとっても最も重要なイベントで、今年は新型コロナウイルス対策で初めて無観客で生配信された。ここ数年、白石麻衣さんや西野七瀬さんら結成当初からグループをけん引してきたメンバーの卒業が相次いでいるが、ベテランの1、2期生と成長著しい3、4期生が一体となった進化したパフォーマンスでアンコールまで全36曲を披露し、10年目もさらなる飛躍が続くことを予感させる充実したライブとなった。

 

 オーバーチュアに続いて鳴り響いたのは、グループの始まりの曲「ぐるぐるカーテン」のイントロだ。最初は1期生だけだったステージに、2期生、3期生、4期生が順番に加わり、最後は全員が無邪気な笑顔で舞い踊る姿は、グループの原点とこれまでの歩み、そして現在と未来を同時に感じさせる演出だ。最後は打上花火のCG映像と音が重なり、お祝いムードを盛り上げる。

 

 続くMCでは、この日から10年目に突入したことについて1期生の生田絵梨花さんが「10年があっという間と言えるような大人にあこがれていたけど、実際にあっという間で、それだけ同じ時間を濃く過ごしてきたと考えると感慨深い」と感想を述べた。同じく1期生の齋藤飛鳥さんは今回のバースデーライブについて「今年は配信で(例年やっている)全曲披露ではないけど、新しい試みで期別ライブもあるし、乃木坂というグループが大きくなったからこそ成立することなので楽しみにしてください」とファンに呼び掛けた。

 

 再び歌唱パートに戻ると、全メンバーが2チームに分かれてシングル表題曲5曲を立て続けに披露した。「インフルエンサー」は3期生の与田祐希さんと山下美月さん、「インフルエンサー」ではオリジナルのセンターだった白石麻衣さんを敬愛していた3期生の梅澤美波さん、「帰り道は遠回りしたくなる」では4期生の遠藤さくらさんがそれぞれセンターを務めて堂々とした歌とダンスでリードした。一方で「何度目の青空か」では生田さんが、「君の名は希望」は齊藤さんが中心になって安定のパフォーマンス。最後は階段状のステージに勢ぞろいしたメンバーに白い羽根が降り注いで幻想的なムードに包まれた。

 

 ここから期別に3曲ずつ披露するコーナーへ突入。最初に登場した4期生は遠藤さんセンターの「夜明けまで強がらなくてもいい」を海原のように大きく波打つ布を効果的に使ってシリアスな表情でを披露したかと思えば「キスの手裏剣」では投げキッスや指ハートを交えたかわいらしさを見せるなど末っ子らしいフレッシュさをアピール。

 

 一方で3期生は「逃げ水」で大園桃子さんと与田さん、「トキトキメキメキ」では岩本蓮加さん、「毎日がBrand new day」は久保史緒里さんと、それぞれ異なるメンバーがセンターを務めて、現在のグループの主力を担うエースぞろいの年代の実力を存分にアピールした。

 

 2期生は、卒業を発表していて今回が全体ライブへの出演は最後となる堀未央奈さんがセンターの「バレッタ」で妖艶なダンスを披露したのに続き、「アナスターシャ」では1人で歩く堀さんに他のメンバーが少しずつ合流して2期生の歴史をたどるような演出でしっとりと歌い上げ、最後は「ライブ神」を残像が残る不思議な映像を交えてクールに歌い踊って「パフォーマンスの2期生」のスキルを見せつけた。

 

 最後に登場した1期生は、深紅のミニのドレスで「制服のマネキン」を貫禄たっぷりに披露した。歌の途中には初代センターの生駒里奈さんや白石さん、西野さんらの映像が映し出され、ファンの涙を誘う。1期生の絆を確かめるように触れ合いながらしっとりと歌う「サヨナラの意味」に続いて、両肩を上下に揺らす「狼ダンス」で乃木坂46の「公式お兄ちゃん」であるバナナマンの日村勇紀さんもお気に入りの「狼に口笛を」を狼の着ぐるみを着たダンサーと一緒に笑顔で歌い踊り、先輩の貫禄を見せつけた。

 

 続くパートでは、コロナ禍に揺れた昨年を楽曲と共に振り返った。昨年唯一のCDリリースとなった白石さんの卒業シングル「しあわせの保護色」は、白石さんを姉のように慕っていた大園さんがセンターを務めた。ライブなどで感極まって泣いてしまうことが多い大園さんだが、白石さんを安心させるかのような晴れやかな笑顔でパフォーマンス。6月に医療従事者へのチャリティーソングとして配信された「世界中の隣人よ」では、間奏で齊藤さんが「また笑顔で会える日が必ずやって来る、そう信じて私たちは歌い続けます」とメッセージを送った。

 

 「全国高等学校クイズ選手権」応援ソングの「明日がある理由」では、岩本さんが選抜曲では初となるセンターを務め、コロナ禍でさまざまな制約を受けながらも夢に向かって挑戦を続ける若者に温かなエールを送った。アンダーメンバーは「口ほどにもないKISS」「自惚れビーチ」「日常」というノリの良い楽曲が3連続で投下され、キュートなしぐさからパワフルなダンスまで振り幅の大きいパフォーマンスで定評のある表現力を印象付けた。

 

 終盤ブロックも「おいでシャンプー」「Sing Out!」など表題曲中心に構成された。最新曲「僕は僕を好きになる」でセンターを務める山下さんは歌唱前に「初めてセンターをやると聞いた時は今の自分にはあまりにも背負う物が大きすぎると思いましたが、メンバーやスタッフ、ファンの皆さんが手を差し伸べてくださったおかげで自分は独りじゃないんだと実感できました。私を笑顔で迎え入れて居場所を作ってくださった皆さんがいたおかげで自分のことをちょっとだけ好きになれた気がしたので、皆さんに恩返しができるようにたくさんの笑顔と幸せをお届けすることを約束します」と決意を表明した。

 

 「僕は僕を好きになる」のパフォーマンス途中には、メンバーから直接会えないファンに向けて手書きのメッセージが披露され、山下さんが代表して「皆さまからの愛情はちゃんと形になって私たちに届いています、乃木坂を見つけてくれて、好きになってくれて本当にありがとうございます。乃木坂を愛し続けてくれてありがとうございます。離れていても私たちの心は皆さんのそばにいます。これからもずっと私たちと坂を上ってください。皆さんのことが大好きです」とメッセージを送り、紙吹雪が舞う華やかな雰囲気の中で本編を締めくくった。

 

 アンコールは堀さんのセンター曲「そんなバカな…」でにぎやかにスタート。堀さんが参加する最後の全体ライブとあって、2期生から3期生、4期生、1期生と順番に触れ合って別れを惜しみつつ、最後は堀さん渾身(こんしん)の変顔で締めくくる。続く「ダンケシェーン」では生田さんが「未央奈の温かいその背中が好きだった」と歌い出しを変えて盛り上げたものの、秋元さんが最後のせりふを「やっぱ未央奈だな」に変えるのを忘れて「乃木坂だな」と言ってしまう痛恨のミスを犯し、最後だけやり直した。

 

 この日の感想を聞かれた堀さんは「まだ実感がない」と話していたものの「今までたくさんの方が応援してくださって私が存在していたので、もうあとちょっとしか乃木坂にいないけど…」と言いかけてこらえきれずに涙があふれる。そして「やっぱり一番はメンバーと離れるのが寂しいよね。なんか残りの時間、いろんな思い出でをつくれるように楽しみたいと思いますし、直接会いたかったけど会えなかったファンの皆さんにも感謝を伝えたいです」と思いを語った。

 

 ここで秋元さんから、バースデーライブの一環で3月28日に2期生ライブ、28日に1期生ライブが開かれることが発表される。堀さんは「3月28日は私たち2期生の合格日ですごく思い入れ深い日で、私の最後の活動でもあるので、2期生全員で力を合わせて楽しみたいと思っています」と意気込みを述べた。

 

 最後はメンバー全員がグループカラーの紫のペンライトを手に、ライブの締めの定番曲「乃木坂の詩」を笑顔でパフォーマンス。秋元さんは「直接、ファンの方の顔を見たり声を聞いたりできないことの不安を痛感する中でも、私たちを応援してくれていることが伝わってきて何度救われたか分かりません。私たちは10年目に向けて走りだしますが、どんな時も皆さんのそばにいます。これからも成長できるように上を向いて走って行くので、応援よろしくお願いします」と呼び掛けて締めくくった。

 
 

■乃木坂46「9th YEAR BIRTHDAY LIVE」セットリスト
 M1:ぐるぐるカーテン
 M2:インフルエンサー
 M3:シンクロニシティ
 M4:何度目の青空か?
 M5:帰り道は遠回りしたくなる
 M6:君の名は希望
 M7:夜明けまで強がらなくてもいい
 M8:キスの手裏剣
 M9:Out of the blue
 M10:逃げ水
 M11:トキトキメキメキ
 M12:毎日がBrand new day
 M13:バレッタ
 M14:アナスターシャ
 M15:ライブ神
 M16:制服のマネキン
 M17:サヨナラの意味
 M18:狼に口笛を
 M19:しあわせの保護色
 M20:ゆっくりと咲く花
 M21:世界中の隣人よ
 M22:Route 246
 M23:明日がある理由
 M24:ファンタスティック3色パン
 M25:I see…
 M26:口ほどにもないKISS
 M27:自惚れビーチ
 M28:日常
 M29:Wilderness world
 M30:いつかできるから今日できる
 M31:おいでシャンプー
 M32:Sing Out!
 M33:僕は僕を好きになる
 (本編終了)
 EN1:そんなバカな・・・
 EN2:ダンケシェーン
 EN3:乃木坂の詩