西岡安彦座長

 新型コロナウイルスの徳島県内初確認から1年。県内ではこれまでにクラスターが11例発生し、累計で448人(23日時点)の感染が確認されている。1月以降は、感染の「第3波」が到来したといえる状況だ。県内の感染状況の変遷を、専門家はどうみているのか。県専門家会議の西岡安彦座長=徳島大学病院呼吸器・膠原病内科長=に、ワクチンの効用などと併せて聞いた。

 ―この1年間の県内の感染状況をどうみているか。

 都道府県別にみると、徳島県は4番目に感染者が少ない。感染が拡大している都市部との往来が他県に比べ少なかったということが考えられるのではないか。感染経路が特定できないケースはあるものの、徳島ではやはり、県外との接触が原因という症例が多いと思う。

 ―今年に入り、既に昨年2~12月を上回る感染者数が確認されている。

 全国的な第3波の到来に伴い、県外で感染したとみられる事例が増えた。1月のクラスター発生数は四つで、(計107人の感染者が確認された)昨年8月と変わらないものの、一つ一つの規模が大きくなっている。クラスターに関連する陽性患者が新たな感染源となって周囲に感染が広がり、全体の数を押し上げているという印象がある。県内で初めての陽性患者確認から1年。感染対策への意識や危機感が薄れてきているのではないか。

 ―3月から段階的にワクチン接種が始まる。

 発症を抑制する効果はファイザー社製で95%、モデルナ社製が94%という試験結果が出ている。インフルエンザワクチンだと、一般的に30~50%。高い効果が期待され、新型コロナをコントロールするための有効な措置となる。まだ十分検証されていないが、発症抑止だけでなく感染を防ぐ効果もあるのではないかと多くの専門家はみている。

 ―副反応についての見解は。

 副反応は、注射したところに痛みを感じたり腫れたりといった「局所反応」と、頭痛や筋肉痛、倦怠感などの「全身反応」に分かれる。インフルエンザワクチンに比べ、そうした症状が出る人の割合が少し多いようだ。これまで接種した人のデータでは非常に低い確率だが、(重いアレルギー反応の)アナフィラキシー症状が起きた例も報告されている。ただ、ワクチンに限らず、どの薬でも深刻な副反応が起こるリスクはある。

 ―県内の感染状況の見通しは。

 緊急事態宣言の発令により都市部の感染が下火になってきたことに伴い、落ち着いていくと思う。ただ、ワクチン接種の進行具合によっては、「第4波」が来る可能性もある。感染対策は緩めない方がいい。県外に出掛けたらしばらく家庭内でもマスクを着けて過ごすなど、自分の行動履歴に合わせてリスク管理をしてほしい。高齢者施設や寮生活を伴う高校でクラスターが発生している。集団生活の場では特に対策を強化してもらいたい。