J1に挑む徳島ヴォルティスで、昨季に続きポルトガル語通訳兼アシスタントマネジャーを務めるササオカユキオさん(25)。裏方として多忙な毎日だが、愛きょうたっぷりの風貌や明るい性格がチームの癒やしとなっている。

ジエゴ選手(右)をサポートするササオカさん=板野町の徳島スポーツヴィレッジ

 2020年1月に加入し、雑務のほかブラジル人DFジエゴ選手を支える。昨シーズン中に負傷したときには、ブラジルの音楽について話したり、徳島のおいしい飲食店を教えたりして寄り添った。「さまざまなことをサポートしてくれる頼れるパートナー」とジエゴ選手からの信頼も厚い。

 一躍、ササオカさんをサポーターの人気者に押し上げたのが、昨年2月に中河昌彦GKコーチがSNSに投稿した動画。告知を撮影する石井秀典選手と島屋八徳選手(現山口)の前を、ササオカさんが「トイレ、トイレ」と横切った。天然なのか、笑いを取りに走ったのか-。芸人のようなしぐさが話題となった。試合前にクラブマスコットのヴォルタくんと一緒に観客を盛り上げた日もあった。

 同い年の福岡将太選手や浜下瑛選手との仲も良く「1日20回以上おなかを触られる」とか。福岡選手は「彼の行動で笑いが生まれチームがリラックスするマスコット的存在」と話す。

ジエゴ選手(左)と一緒にウオーミングアップするササオカさん=宮崎市のひなた県総合運動公園ラグビー場

 群馬県大泉町出身の日系ブラジル人3世。生まれも育ちも日本だが家族とはポルトガル語で話す。10歳からフットサルをやったが、ヴォルティスで初めてプロの「サッカー通訳」となった。コーチに戦術を教わったり、他チームの通訳のインタビュー記事を読んだりして競技や通訳としての応対方法を勉強。「伝え忘れないように常に緊張感がある」という日々だ。

 言葉だけではできない意思伝達の難しさも知った。「選手が怒っている時は通訳も本気で怒らないといけない」といい「本心を伝えるため、どういう訳し方やふるまいが最適なのか」と試行錯誤を重ねる。

 チームは、2人目のブラジル人であるカカ選手の加入が内定した。ササオカさんは「さまざまな通訳から技術を吸収したい。ジエゴ選手に加え、来日1年目となるカカ選手が環境になじめるよう全力を尽くす」。人懐こい表情を引き締めた。