米女優メーガン・マークルさんの出世作といえば、テレビドラマの「SUITS/スーツ」。一流弁護士を補佐するパラリーガルの女性をさっそうと演じた

 名シーンは数あれど、無実を訴える死刑囚の救済活動に奔走した場面が印象深い。二度三度と行く手を阻まれても腐ることなく、弱者のために信念を貫いた。実生活でも非政府組織(NGO)の国際慈善活動に熱心だという。見る側の心を引く名演は、なるほど合点がいく

 英王室のヘンリー王子も、チャリティー活動に精力的なことで知られる。王室を離れた後も弱い立場の人のため世界を巡った、ダイアナ元皇太子妃の次男。母親の行動が原点と語り、元妃が力を注いだ地雷廃絶運動にも関わっているほどだ

 そんな2人が出会い、引かれ合ったのは決して偶然ではなかったのだろう。きのうテレビ中継された結婚式で、仲むつまじい主役の男女を見て強く感じた

 英王族と米女優との結婚は過去に例がない。何かとスキャンダルの多い英王室だが、また一段と柔軟さを増した感を受ける。さて、どうしても気になるのは、わが国のロイヤル・ウエディングの行方である

 パラリーガルの男性とプリンセスのお気持ちは、延期になった今も変わりないだろうか。英国に向けたのと同じ祝福をぜひ。そう願うのは小欄だけではあるまい。