インターネットを使ってタクシー会社の配車業務を請け負う電脳交通(徳島市)が、客からの配車要請を受けるコールセンターを福岡市と岡山市に開設する。全国のタクシー業者から問い合わせが相次いでおり、今後の契約事業者の増加に対応するのが目的。同社のコールセンターは徳島市の2カ所と合わせて4カ所となる。
福岡市では20日、市中心部にビルの一室(80平方メートル)を借りて開設する。徳島から派遣するエリアマネジャー1人と現地採用の7人で運用し、夏ごろをめどに九州を対象として契約事業者の配車業務を始める。岡山市には今夏にも開設させる予定で、エリアマネジャーと現地採用者が中国地方の契約事業者を受け持つ。
福岡、岡山両県で各1社(計23台)がコールセンター開設を待って契約する。事業拡大に向けて今春、徳島市でパート・アルバイトを含む21人を採用。新たに営業担当者を1人置いており、全国への発信を強化する。
業務は、各車両に取り付けたタブレット端末とコールセンターをネットでつなぎ、配車指示や道順の案内などを行う仕組み。
現在、県内外の小規模タクシー事業者12社と契約し、計229台の配車業務を受託している。内訳は県内が9社170台、県外が香川、愛媛両県の計3社59台で、配車は全て徳島市のコールセンター2カ所でスタッフ20人が対応している。
1月に全国放送されたテレビの情報番組で注目企業として取り上げられ、業界からの反響が相次いだ。交渉中や問い合わせを受けている事業者は北海道や広島、大分などの約30社に上るという。
近藤洋祐社長は「エリアの拡大に合わせて拠点を増やす必要があった。多くの事業者に契約を待ってもらっている状態で、早急に体制を整えたい」と話した。