徳島県内の一部の高校では卒業式に合わせて在校生や卒業生が教室の黒板にカラフルなチョークアートを描いた。短期間で消されてしまうはかない芸術に込められた生徒たちの思いを4回に分けて紹介する。

 
 
2年生が描いたチョークアートの前で笑顔を見せる美術コースの3年生

 名西高校(石井町)芸術科美術コース2年生6人は、同コースの3年生19人の門出を祝うため、教室前方の黒板に美術コースで専攻として学ぶ日本画と油絵、彫刻、デザインの特徴を織り交ぜたイラストを描き「ご卒業おめでとうございます」というメッセージを添えた。

原画を見ながら担当を話し合う2年生

 イラストは、学びやでアートに青春をささげた3年間を絵筆や彫像などを盛り込んで表現し、不思議な雰囲気で元気がよかった先輩たちをイメージした架空生物を配している。チョークを何層も重ねて色の濃淡を出すなど細部まで丁寧に描き込まれている。

 

 1日にあった卒業式に新型コロナウイルス対策で在校生が出られないことを知った2年生担任の秋山真由子教諭(25)が、これまで指導してくれた3年生への感謝をチョークアートで伝えることを提案。有志6人が2月下旬に5日間、計8時間かけて描き上げた。

先輩への感謝を込めて絵を描く片山珠希さん

 原画を描いた片山珠希さん(17)は「いつでも優しく相談に乗ってくれた先輩への恩返しの気持ちを込めた。一緒に学んだことを生かしてそれぞれの進路で活躍してほしい」とエールを送った。

 

 卒業式の朝に作品を見た國見雪菜さん(18)は「陰影や小道具の描写が美しくて、後輩たちの成長を感じた」と出来栄えをたたえ「3年間の思い出がよみがえってくる。本当にありがとう」と感謝を述べた。