徳島県内の一部の高校では卒業式に合わせて在校生や卒業生が教室の黒板にカラフルなチョークアートを描いた。短期間で消されてしまうはかない芸術に込められた生徒たちの思いを4回に分けて紹介する。

 
チョークアートの前に集合した3年2組のメンバー

 徳島科学技術高校(徳島市)の3年2組では平成光(たいら・なりみつ)さん(18)が、自分たちの卒業を祝い、クラスメートに激励の気持ちを伝えようとクラスのシンボルなどをモチーフにしたイラストを教室前方の黒板に描いた。

 作品は、左側に満開の桜と担任の先生が合格祈願のため教室に飾った招き猫をモデルにしたネコを描いている。中央には新型コロナウイルス禍による休校や受験などの困難を乗り越えた象徴として富士山を描き「祝 卒業」の文字を添えた。右側にはアニメ映画「となりのトトロ」のキャラクターのねこバスと、卒業証書を持ったアニメ映画「ベイマックス」のキャラクター・ベイマックスを配した。

原画を基にイラストを描く平成光さん

 他校で美術部に所属する友人から教わりながら、中学3年の時から趣味で絵を描いている平さん。コロナ禍で遠足が中止になるなど同級生と思い出を作れる機会が減った1年の最後に、クラスみんなの思い出にしてもらえればと考えて計9時間かけて完成させた。

 平さんは「卒業してそれぞれの道を進む中で壁にぶつかることもあると思うけど、科技高で共に学んだことを生かして頑張って乗り越えていこうという思いを込めた」と明かす。

 作品を見た山田泰暢(やすのぶ)さん(18)は「左から右に見ていくと、入学して受験を乗り越え、新しいステップに進む自分たちを表しているように思えた。応援メッセージをもらった気分」と喜びを語った。