立った状態の目の高さを写真用語でアイレベルという。見慣れた光景のほとんどは、無意識にこの位置から見ている。そのため見る位置や角度(アングル)を変えると、同じものでも別物に見え、新鮮に感じられる。

 今回、紹介するのはそんな一枚だろう。1960年に徳島駅前広場をほぼ真上から撮影したもの。ヘリコプターからの航空写真であるため、すぐには場所が分からないかもしれない。地図を作製するための航測写真を見るかのようだ。

 写真からは、当時の駅前広場周辺のレイアウトがよく分かる。画面左のバス乗り場に屋根がなく、中央には駅前ロータリーの丸い植え込みが写っている。

 画面右には広く舗装された部分が見えるが、ここは多目的広場のようなスペース。当時の阿波踊りや各種イベントの写真には、ここで写されたものが数多くある。

 内町小学校や産業会館といった今は無い建物の姿も見える。全体にすっきりして見えるのは車の数が少ないことと、路面に今のような交通表示がないためである。

 【写真説明】真上から見た徳島駅前広場。車の数が少なく広々とした印象を受ける=1960年、本社所蔵写真