中学生部門で最優秀賞に選ばれた河野地里子さん=徳島市の鳴門教育大付属中

徳島新聞 2020年12月27日付「食の風景」から

 新聞記事をテーマにした「第12回徳島県新聞感想文コンクール」(徳島新聞社主催)には、県内から1万7132点の応募があり、最優秀賞4点、優秀賞20点、優良賞40点、佳作98点、優秀学校賞6校が選ばれた。小学1~3年、小学4~6年、中学校、高校の各部門で最優秀賞に選ばれた4人に、記事を読んだ時の気付きを語ってもらった。

食糧事情に関心深める

 昨年、徳島新聞に連載された企画記事「食の風景」を読み、世界の厳しい食料事情に心を痛めた。しかし、学校や赤十字などの団体を通さないと支援はできないと思い込んでいて、どうすれば手助けができるのか分からなかった。

 年末の連載最終回で、国連の世界食糧計画(WFP)が手掛けたアプリ「シェア・ザ・ミール」が紹介された。クリックするだけで、個人でも簡単に寄付ができると知った。早速ダウンロードし、アフリカのコンゴ民主共和国への支援に85円(子ども1人の食料1日分)を寄付した。

 飢餓に苦しむ人々のため、少しでも役に立てたことがうれしかった。「たくさんの人にアプリの存在を知らせ、協力してもらえれば大きな力になる」との思いを込め、一気に感想文を書き上げた。

 新聞は、小学校3年生の頃、祖母の勧めで読み始めた。「ネット上で公開されているニュース記事とは違って、見出しや写真の大きさが目を引き、読んでみようという気になる」と良さを説明する。

 学校ではボランティア部に所属。将来は医療関係に進み、海外で貧しい人々の診療活動に携わりたいと考えている。そのために「これからも新聞を通じて世界の状況を学び続けたい」と話した。

シェア・ザ・ミールから

 最近、日常生活の中でアプリを使う機会が増えた。勉強をするときに、買い物をするときに、友達と話をするときに...。様々な用途でアプリを使っている。ただ、アプリで寄付ができるとは思いもよらなかった。

 記事では、「シェア・ザ・ミール」という世界初の飢餓撲滅アプリが紹介されていた。このアプリは、飢餓に苦しむ発展途上国の人たちにアプリを通じて食事代の寄付ができるものだ。たった八十五円で子供一日分の食料を届けられるということに驚いた。そのうえ、自分が寄付したお金が何に使われたか詳細に分かるのだ。少ない金額でも寄付が可能なので、学生の私でも簡単に社会貢献できると知り、早速してみようと思った。また、寄付金が具体的に何に役立ったか分かることは、お金が無事に届けられたという達成感や安堵感とともに、受け取った人の存在の確かな実感をもたらしてくれる。

 現在コロナ禍でボランティアも難しくなっていると報道されている。しかし、この記事のように、探せば自分が人のためにできることはあるのだ。情報を収集する力と、まず行動を起こす力が大切なのだと改めて知ることができた。人のために何かしたいと思っても、どう行動に移せばいいかわからない人もきっといるだろう。私は、自分でまず一歩踏み出して寄付をするとともに、周囲にこのアプリの存在を広めていきたい。

 「シェア・ザ・ミール」というアプリの名前は、「食事を分け合おう」という意味だ。この言葉は、食事に困る人に「与える」という上からの目線ではなく、「分かち合おう」という同じ目線に立つまなざしから生まれた言葉だと思う。有名な詩人である相田みつを氏の詩の中で、「うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる」という言葉がある。東日本大震災後の買い占め騒動があった際に、多くの人たちの間で大きな共感をもたらした。このアプリで食料を必要としている人たちは、異常気象で作物が収穫できなかったり、内戦によって逃れざるを得なかったり、環境に振り回されてきた人たちだ。あのとき東北の人たちが陥った状況と重なるものがあるのではないか。私たちが忘れてはいけないのは、このような悲しみに寄り添うまなざしを持つことだと思う。「シェア・ザ・ミール」の共助の精神は、食料援助だけにとどまるものではない。コロナで先行きが不透明で苦しむ人たちが急増しているこの時代だからこそ、必要不可欠なものだ。

 シェア・ザ・ミールは多くの注目を集め、十二月初めの利用者は約四百万人を超え、今もなお早いペースで増え続けている。相手を想う温かな心を持った人たちがたくさんいるという表れだ。世の中を変えようという推進力にもなっている。私も続こう。希望へとつながる未来を創っていく一人として。