次々と収穫されるブロッコリー=藍住町勝瑞

 ブロッコリーは秋冬野菜でありながら年間を通して手に入り、サラダにあえ物、シチューと、食卓で重宝される。徳島県内は10月~翌6月が出荷時期。主産地の徳島市や阿波市などで収穫が盛んに行われている。

 「気温が上がって一気に成長した。早く収穫しないと」。JA徳島市ブロッコリー統一部会の丸岡克之部会長(68)=同市応神町西貞方=は、藍住町内の畑で作業に追われていた。

 収穫するのは、小さなつぼみが密集した花蕾(からい)と呼ばれる部分。深緑の葉に包まれたその塊を、根元から刈り取ってコンテナへ。自宅で余分な葉や茎を落としてJAの集出荷場に運ぶ。

 県産は主に京阪神の市場へ出荷する。大阪中央卸売市場では年間シェア約25%を占め1位となっている。

 ブロッコリーは、作付面積や生産量が年々増えている数少ない作物だ。県もうかるブランド推進課によると、2009年度の作付面積458ヘクタール、出荷量4430トンから、19年度は940ヘクタール、1万1100トンと2倍以上になった。

 JA徳島市でも、09年産の生産者133人、作付面積201ヘクタール、出荷量2178トンから、19年産は201人、316ヘクタール、4249トンと急増している。

 ビタミンCや葉酸などが豊富で、健康志向を背景に底堅い需要がある。手間や負担のかかるホウレンソウ、ハクサイなどからの転作が進んでいる。

 生産者は、成長の速度や温度変化への耐性などが異なる品種を気候に合わせて育て、作業分散と出荷量の安定に努める。丸岡部会長は「おはよう」「SK9-099」を中心に、冬は「はつみらい」「グリーンキャノン」、春に近づくと「晩緑(おくみどり)99」などを加えた約10品種を栽培する。

 JA徳島市は品質を安定させるため、全期間、発泡スチロール箱に氷詰めして出荷している。以前、冬季は段ボール箱で予冷出荷していたが、気温の高い日に変色や傷みが発生することがあったため、17年産から切り替えた。出荷コストは1・9倍になった一方、市場からのクレームがほとんどなくなったという。

 生産量が増えているが故の悩みもある。出荷量が増える3月上旬や5月中旬ごろ、集出荷場での検品作業が混雑してしまう。JA徳島市北部営農経済センターの元川裕文営農課長は「出荷まで時間がかかれば傷みの原因になる。人員の確保など、態勢を強化したい」と話した。