東みよし町のスポーツ少年団野球チーム「三庄クラブ」が、児童や保護者の負担を減らそうと、今年から参加する試合数を大幅に減らした。体の特定部位に負荷が掛かり過ぎないよう、練習に野球以外の競技を取り入れるなどしており、少年野球の試合数の多さを懸念する専門家はクラブの取り組みを評価している。
クラブでは、児童が試合で疲れて学業に支障を来したり、勝つために無理をしてけがをしやすくなったりする事例を関係者から聞き、年間の参加大会数を昨年の22から今年は3に減らした。練習試合なども含めると、昨年の50試合から半減する見通しだ。
クラブの取り組みは、試合会場に児童を送迎している保護者の負担を軽減する狙いもある。自営業の40代の母親は「これまでシーズン中の5カ月間は、毎週のように試合があった。仕事で送迎できない日は他の保護者にお願いしており、精神的にも厳しかった」と試合数の削減を歓迎する。
練習では、スポーツを楽しみ、自分の適性を見つける機会にしてもらおうと、サッカーやゲートボールなどを取り入れている。
野球少年を検診している徳島大大学院特任教授の松浦哲也医師は「小学生の頃から一つのスポーツに専念すると、将来的な障害や燃え尽き症候群につながる恐れがある」とし、年70試合以内が望ましいと指摘。「いろいろなスポーツで幅広い動きを身に付けた選手の方が、将来的に伸びやすい側面もある」と話している。
県スポーツ少年団本部委員会は、大会への参加は年10回以内とするように指針で定めているものの、強制力はない。
日本整形外科学会が2014、15両年度に実施した全国調査では、年70試合以上行っている少年野球チームが半数を超えていた。100試合以上も14%あり、児童の負担軽減策が課題となっている。