「キッズタウンとくしま」で警察官の業務を学ぶ子どもたち=4月1日、アスティとくしま

 警察官の志望者減少に悩む徳島県警は、将来の受験者を確保しようと低年齢層をターゲットにした取り組みを始めた。さまざまなイベントに参加し、職業体験や制服の試着などを通じて魅力をPRしている。警察官は子どもに人気が高い職業の一つで、就業年齢まで人気を維持したい考えだ。

 過去10年の県警察官採用試験受験者数は、2010年の635人(競争倍率13・0倍)をピークに減少傾向にあり、17年は392人(7・5倍)と4割落ち込んだ。一方で、化学メーカー・クラレが毎年、新小学1年生に将来就きたい職業を尋ねているアンケートでは、警察官は20年連続で男の子のトップ5に入っている。

 県警警務課の川原卓也指導官(人事担当)は「警察官に憧れる子どもは多いが、成長するにつれて上下関係が厳しいなどのマイナスイメージを持ってしまう」と分析し、子ども向けイベントでの売り込みに乗り出した。

 3月31日と4月1日に徳島市のアスティとくしまであった「キッズタウンとくしま」では、窃盗事件の発生から容疑者逮捕までのストーリーを設定、約140人に警察官の各業務を学んでもらった。

 同15日には、10歳児の夢をかなえる「ニブンノイチセイジンシキ」(徳島新聞社主催)の事業に参加。県警察学校(徳島市論田町)に模擬交番を開設し、5人が交番勤務や鑑識作業を体験した。5月13日にはイオンモール徳島(同市南末広町)で子ども用制服の試着会を催した。

 少子化に加え学生優位の売り手市場が続く中、県警は夜間就職説明会の開催や若手警察官による出身大学での受験呼び掛けなどに取り組んでいるが、効果は上がっていない。川原指導官は「子どもを含むさまざまな人に警察官の魅力を知ってもらいたい」と話している。