4月22日、徳島ヴォルティスのホーム讃岐戦で、スタジアム前に現れた車「あわぎん号」。トラックの荷台には助手席側と後部に扉と階段があります。
助手席側の扉から中をのぞくとATMが1台あり、後部は銀行の窓口のようなカウンターが見えます。
ATMを使ってみました。ステップを上がると、一人が立つには十分ですが、二人は窮屈…というスペースが。ATMは店舗にあるのと同じタイプです。
後部の窓口はこんな感じ。こぢんまりした銀行のようです。
この車ってどんなときに活躍するんでしょう?阿波銀行に取材しました。
◆あわぎん号はどんな車?
大規模災害の発生時に、被災地に派遣して、銀行業務ができるように2016年4月に導入しました。ATM1台と、車両後部の事務室には窓口端末1台を設置。また、自家発電と、非常用通信としてWi-Fiの設備もあります
◆どんなことができるんですか?
災害時の出動では、ATMは時間外手数料なしで使用できます。また、事務室では、カードを持っていなくても本人と口座を確認した上で現金を引き出せるように対応する予定です。(※訓練やイベントでは、通常のATMと同様に休日・時間外の場合は手数料がかかります)
◆どんなところで見ることができますか?
自治体の要請を受けて徳島県内各地の防災訓練に出ることが多く、行員のマニュアル確認も同時に行っています。導入後すぐの2016年5月には、視覚障害者向けのATM体験会を実施。その際、「ステップが見にくい」という意見があったので、分かりやすいように各段に黒いシールを貼る対応をしました。
また、徳島ヴォルティスのホームゲームでは、3年連続でマッチデーに出張し、実際に使ってもらっているほか、昨年10月には三好市で開かれたラフティング世界大会でも展示。訓練やイベントでは、通常のATMと同様に、休日・時間外の場合は手数料がかかります。現状では、年に数回の防災訓練、イベント展示で見ることができます。
◆今後どんな活用の可能性がありますか?
他の金融機関では、支店を廃止した地域を巡回し、店舗代わりに移動ATM車を活用している例もあります。ですが、徳島は人口比で金融機関の店舗数が全国的にも多い地域です。阿波銀行も県外店舗や支店内支店を含め99店舗あり、現状では「あわぎん号」で地域を巡回する必要性は感じていません。今後、店舗のあり方を見直したり、移動ATM車を巡回させることで利便性が向上すると考えられる場合には、過疎地等での活用も検討していきます。