獣脚類と推定される肢骨の化石(県立博物館提供)

 徳島県立博物館は11日、勝浦町にある白亜紀前期(約1億3千万年前)の恐竜化石含有層(ボーンベッド)で獣脚類の肉食恐竜と推定される肢骨の化石などが見つかったと発表した。獣脚類の肢骨とみられる化石は2018年度に発見されて以来2例目。最初に確認した場所から10メートル高い斜面を削って見つかっており、ボーンベッドが広範囲に及ぶことが明らかになった。

 肢骨の化石は、長さ10センチ、幅1センチ、厚さ0・5センチ。解析調査で獣脚類の特徴とされる断面の空洞が確認された。全長2メートルほどの肉食恐竜の可能性が高い。

 このほか、長さ4・5センチ、幅0・6センチ、厚さ0・3センチの腱(けん)の化石を発見。骨のようになっており、腱を骨質化させる鳥脚類とみられる。腱の化石は中四国で4例目で、いずれも勝浦町で見つかった。カメの甲羅やワニの歯など脊椎動物の化石計82点もあった。

 同館によると、これまでの調査で地層の傾きからボーンベッドが斜面上部へ続くと推定していた。今回、斜面の上部で下部と同種の化石が多数見つかったことや、堆積した泥岩の質感が似ているため、ボーンベッドの広がりが裏付けられたという。21年度以降は斜面の上部から階段状に順次掘り下げて調査する。

 福井県立恐竜博物館の東洋一名誉顧問は「恐竜の化石を含む地層が10メートル以上も広域に存在することが分かり、大きな成果だ。今後の調査で恐竜のあごなど未発見の化石が見つかる可能性もある」と期待した。