標高約700メートルの大山があり、麓では柿の果樹園が広がる。のどかな風景を見せる上板町神宅地区では、木工や製麺、陶芸といった分野で先代から受け継いだ人たちが技を磨く。物静かな環境でものづくりに励む「職人」と、多くの人が訪れる大山寺を巡った。

 

だいやま陶芸村 焼き物の魅力伝える

 江戸時代中期、四国霊場八十八カ所を巡礼していた窯職人・三宅彦太が良質の土に引かれて定住し、焼き物を製造したと伝わる神宅地区。一代で途絶えたとされるが、今も焼き物文化を発信しているのが陶芸教室の「だいやま陶芸村」だ。

陶芸教室の講師を務める下藤さん=だいやま陶芸村

 小学校などの授業で使う楽焼の製造販売「三井教材」の代表だった三井八郎さん(故人)が、陶芸技術を教えてほしいという周囲の声を受け、30年ほど前に立ち上げた。

 講師を務めるのが、三井さんの長女下藤ます美さん(37)。物心つく前から陶芸の魅力をすり込まれたと言い、「気付いたら陶芸の世界に入ることが決まっていた」。高校生の時に三井さんが亡くなると、後を継ぐ決意を固め、京都府の専門学校で陶芸を学んだ後に帰郷し、20歳で指導を始めた。

 現在、陶芸村で学ぶ会員は約20人。山と池に囲まれる立地から、ほとんどの参加者が「こんな素晴らしい自然の中で陶芸ができて気持ちいい」と口にする。

 下藤さんは「大人になったら土に触れる機会は減る。無心で陶芸に取り組み、ゆったりとした時間を過ごしてほしい」と呼び掛けている。一日体験コースもある。

 問い合わせは陶芸村<電088(694)2229>。