女子エアライフルの五輪最終選考会に向け、「自分の射撃に集中する」と話す西=昨年5月、徳島市射撃場

 ライフル射撃10メートル種目の東京五輪最終選考会が19~21日、東京都の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)で行われる。代表1枠を5人で争う女子エアライフル立射に徳島市出身の西千里(日大、城西高出)が出場する。当初は昨年3月の開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響による五輪延期を経て1年越しに行われる大一番。西は「自分の射撃に集中し、力を全部出し切りたい」と士気を高めている。

 最終選考会の出場者を決める指定記録会が2月5、6日に行われた。昨年の最終選考会メンバーに決まっていた西ら3人は、成績にかかわらず資格が維持され、事実上、追加の選手を決める記録会だった。

 西は初日の競技後の検査で射撃用ジャケットの固さが規定値を超えて失格となったが、2日目はトップの成績を残した。非公認ながら初日の得点も1位だったとし「集中できていた。全体的にいい内容だった」と手応えは十分。ライバルたちと相まみえる最終選考会に向けて弾みをつけた。

 昨年1年間は自分の射撃を見失い、スランプに陥った。復調の兆しが見えてきたのは今年1月の東京五輪に向けた強化合宿から。「多くのことを考えすぎていた。心が決まった時だけ引き金を引き、それ以外は銃を下ろす。それだけを意識して練習するうち、良かった時の感覚が徐々に戻ってきた」と振り返る。最終選考会が1年延びたことで不調期を脱して本番に臨めるのは好材料で「1年前より今の方が調子はいい」と声色は明るい。

 一方、延期によって最終選考会の出場者は自身を含め当初の3人から5人となり、ライバルが増えた。それでもマイナス思考はなく「1位になればいいことに変わりはない。射撃は自分との戦いだから何も気にしていない」と意に介さない。

 最終選考会は60発撃つ本選1回を3日連続で行い、そのうち上位2日分の合計点で競う。安定感が求められる長期戦とあって「体力勝負になる。疲労を翌日に持ち越さないことが大事」とポイントを挙げる。射撃に関しては「後半最初の4シリーズ目(31~40発)に崩れやすいので気を付けたい。うまく休憩を挟み、集中を維持しなければ」と自分に言い聞かせる。

 不調から立ち直り、満を持して迎える最終決戦。「もちろん東京五輪には出たい。他の選手は意識せず、自分の射撃だけに集中する」。照準は代表切符にしっかりと定まっている。

 東京五輪の代表選考 最終選考会は当初、2020年3月に実施予定だった。出場選手は19年11月の1次選考会を通過した西千里、清水綾乃(自衛隊)、中口遥(滋賀ダイハツ販売)の3人に絞られていたが、新型コロナによる五輪の延期を受けて直前に中止が決定。その後、日本協会は他の選手にもチャンスを与える仕組みを設け、今年2月の指定記録会で条件を満たした一ノ渡桜(アマノ)と塩入朔良(自衛隊)が新たに最終選考会の出場権を得た。5人で競う最終選考会では上位1人が五輪代表に内々定するが、仮にその選手が代表候補基準点(女子エアライフルは627点)を3日間で一度もクリアできなければ決定は持ち越し。上位3人による再度の最終選考会が24日に行われる。