徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 乳幼児は脳の発達が未熟であるために、年長児や成人に比べてけいれんを起こしやすい傾向があります。今月は子どもの熱性けいれんについて考えてみました。

 熱性けいれんは発熱時に筋肉が硬直し、意識消失の他、呼吸の異常や顔色不良、チアノーゼ、嘔吐などが見られます。子どもの熱性けいれんを経験した両親は、このような子どもの症状を二度と見たくないと思います。

 単純な熱性けいれんは短時間で自然に止まりますから後遺症を残すことはありません。従って、受診時にけいれんが止まっていて診察上問題になる症状がなければ、特別な検査や治療を行う必要はありません。髄膜炎や脳炎・脳症、代謝異常などの基礎疾患の存在を疑わす症状がある場合には必要な検査や治療を行い、厳重な経過観察を行います。

 一生のうちに一回か二回だけ起こる単純性熱性けいれんは後遺症を残すことはありません。大部分の熱性けいれんはこのタイプで、特別な検査や処置は必要とせず、さらにけいれん予防処置も必要としません。

 ただし熱性けいれんの起こる回数が多いものや、長い間持続するけいれんは脳に障害を残す可能性があります。けいれん発作を繰り返す場合には発熱時に予防処置を行います。

 熱性けいれんを見た時には、けいれんが止まっているか、止まった後に意識が回復しているか、を確認して、もしけいれんが続いていれば出来るだけ早くけいれんを止める治療を行い、意識が回復していなければ重篤な疾患の存在を考えて検査と厳重な経過観察を行います。