徳島県内自治体の会計年度任用職員のうち、約80%が「短時間勤務職員」の身分で働いている実態が自治労県本部の調査で分かった。うち約40%は週35時間(1日7時間)以上働き、実態がフルタイム職員に近いにもかかわらず、労働条件が不利な短時間職員にとどめられている。非正規公務員の処遇改善を目的として本年度に新設された会計年度任用職員制度だが、自治労県本部は「フルタイムから短時間職員へ置き換えが進むなど、改善につながっていない」と訴えている。

 調査は、労働組合がない松茂町を除く県内23市町村と県を対象に実施し、データのそろった20自治体の回答を分析対象とした。昨年6月1日時点の状況を聞いた。

 会計年度任用職員(4507人)のうち、1日7時間45分働くフルタイム職員は18・2%(820人)にとどまり、81・8%(3687人)が短時間職員だった。しかし、短時間職員の39・9%(1471人)は、週の所定労働時間が35時間以上あった。

 職種別で見ると、図書館職員は全員が短時間職員で、うち65・5%が週35時間以上働いている。学校給食関係職員(調理員、栄養士ら)は97・7%、学校用務員は96・2%、一般事務は80・6%が短時間職員で、それぞれの49・2%、68・0%、50・8%が週35時間以上勤務していた。

 会計年度任用職員の制度では、フルタイム職員より所定勤務時間が1分でも短いと、短時間職員となる。短時間職員には原則、退職金の支給がない。また、自治体によっては給与の支払いが時給換算になるなど、フルタイム職員より不利な扱いを受ける。

 処遇改善を目指した制度だったが、勤務時間を短縮し、フルタイムから短時間職員に切り替える自治体が全国で相次いでいる。徳島新聞が制度開始前の昨年3月に実施した調査では、県内24市町村のうち17市町が2020年度からフルタイムの一般事務職補助職員をなくし、パートタイムに置き換えると答えている。

 自治労県本部によると、短時間職員であるのに残業が前提で、実質はフルタイム職員のように働く事例があるという。このほか、「仕事があり、みんなより早く帰りづらい」「所定の時間より早く出勤している」といった声も寄せられている。

 鈴木圭吾書記次長は「新制度は処遇改善につながっていない。そもそも、長期間雇用すべき職員は正規雇用するのが本来の姿。公的部門を切りながら住民が安心できる社会は実現できない」と強調した。

 会計年度任用職員 自治体の非正規職員の処遇改善や採用基準の明確化などを目的に地方自治法と地方公務員法が改正され、2020年度に新設された。勤務形態にはフルタイムと短時間(パートタイム)がある。期末手当の支給対象となったり、休暇制度が整備されたりした。

 消費生活相談員や学童・保育、非正規頼み浮き彫り

 自治労県本部の調査では、消費生活相談員や学童・保育の現場で働く職員らの50%以上が会計年度任用職員であることも分かった。不安定な立場で働く人によって公的サービスが支えられていることを改めて浮き彫りにしている。

 専門性が求められる消費生活相談員や女性相談員は全員が会計年度任用職員で、正規職員はゼロ。次いで、会計年度任用職員の比率が高かったのは学童指導員で全体の86・0%。学校用務員61・5%、図書館職員59・8%、学校給食関係職員56・2%、保育士51・3%と続いた。

 一方で、ケースワーカーは全員が正規職員だった。看護師・准看護師も87・4%が正規雇用されていた。