乳幼児を連れた父母らが子どものおむつを替えたり、授乳したりする育児スポット「赤ちゃんの駅」が、徳島市内で徐々に増えている。市が2016年度に登録制度を始め、今年3月末までに認定されたのは74カ所。子育て世代の支援に向け、一層の広がりが期待されている。
徳島市立図書館は、子ども室近くにある授乳室を「とくしま赤ちゃんの駅」に登録。授乳時に腰掛ける長いすや、おむつの交換台、ミルクを作るための給湯器を備えている。読み聞かせのイベントがある時間帯を中心に若い母親らの利用が多い。
10カ月の長男を連れた敷地喜海子さん(32)=徳島市北矢三町=は「自分の車の中でおむつを替えることがあるが、授乳は周りの目があるとさすがに無理。もっとこういう場所が増えたら」と話す。
赤ちゃんの駅として認定されているのは地域の集会所、公民館などの公共施設、大型スーパーなど。<1>ベビーベッドなどのおむつ交換スペース<2>カーテンや仕切りなどを備えた授乳スペース<3>ミルク用の湯-のいずれかを無料で提供していることが条件。保護者は施設の利用にかかわらず、自由に使うことができる。
認定施設はステッカーやのぼりを掲げ、保護者らはインターネットの専用サイトで利用時間を確認できる。育児への支援が求められる中、赤ちゃんの駅は全国的に増えており、徳島市では74カ所に加え、さらに10カ所ほどが申請中だ。
市はこのほか、イベント会場などで母親らが人目を気にせず、授乳やおむつ交換ができるテント「移動式とくしま赤ちゃんの駅」の無料貸し出しも行っている。市子ども企画課は「お母さんが安心して外出できる環境づくりを引き続き、進めたい」としている。