原料となるスダチの選果・加工作業=佐那河内村のJA徳島市農産工場(JA全農とくしま提供)

「ザ すだち」をPRするすだち大使=徳島市北佐古一番町のJA全農とくしま

JA全農とくしま(徳島市) ザ すだち

 1980年の誕生から41年のスダチ飲料。インパクトのある商品名で、数あるスダチ加工品の中でも知名度が高い。爽やかな香りと酸味、すっきりとした甘みで大人も子どもも飲みやすく、土産や贈答品としても根強い人気がある。年間112万本が出荷されている。

 使用するスダチは、主に神山町や佐那河内村で収穫された露地もの。JA名西郡やJA徳島市の加工場で果汁を搾り、製造を委託している福岡県の飲料メーカーに送る。飲料に含まれる果汁は3%。発売当初よりも酸味を抑えてまろやかな味にしている。パッケージデザインは一時期の変更を経て、当初に近いものになっている。

 現在はJA全農とくしまが生産販売。元々は大手食品メーカーの商品として生まれ、カボスやハッサクなどのかんきつ類を使った飲料シリーズの一つだった。

 県内でスダチは60年代から商業栽培が進み、80年代にミカンからの転作でいっそう生産が増加。各JAが搾汁機などを備えた加工場の設置を進めていたこともあり、JA側とメーカーが手を組んで商品化した。その後、JA全農とくしまの前身・県青果農協連に引き継がれて今に至る。

 JAの支所や産直市での販売が多い。県内スーパーや道の駅などでも取り扱っているほか、スダチ青果の取引がある東京や京阪神にも、市場の仲卸業者を通して売り込んでいる。

 出荷を担うJA徳島市農産工場の里昭男工場長は「水分補給にちょうどよく、特に農家の人に愛されている。夏場はクーラーボックスに入れて農作業のお供にしている人も多い」と語る。

 2009年に発売した紙缶(カートカン)はアルミ缶の賞味期間(1年)より3カ月ほど短い一方、軽量なためイベント時などに重宝されているという。

 最近伸びているのが、JA全農の通販サイト「JAタウン」や郵便局が発行するお中元・お歳暮カタログからの注文。取り扱う店舗のない地域の人に届けられるようになったほか、新型コロナウイルス禍による巣ごもり需要や、会えない人への贈り物などで需要が増えたとみられる。

 昨年は発売40周年の節目だったものの、コロナ禍のため記念企画などはできなかった。JA全農とくしまでは50周年、さらにその先を見据え、昨冬に商品紹介用の動画を作成。郵便局のカタログに用いるギフト箱も新調した。会員制交流サイト(SNS)でのPRも検討している。

 JA全農とくしまの清田祐爾企画管理課長は「40年以上販売できているのはファンのおかげ。今後も愛飲してもらえるよう、製造とPRを続けていきたい」と話している。