日亜が開発した除菌ができる照明用白色LED(同社提供)

 日亜化学工業(徳島県阿南市)は、除菌ができる照明用の白色LEDを開発した。食中毒の原因となる緑膿(りょくのう)菌などを不活化させる効果が見込め、日常的な細菌感染のリスクを低減できる。病院や公共施設などへの普及を図る。日亜によると、除菌機能を持つ照明用白色LEDを製品化するのは世界初。

 開発したLEDは、ピーク波長が405ナノメートル(ナノは10億分の1)。発光効率は消費電力1ワット当たり114ルーメン、寿命は約3万時間を見込んでおり、一般的な蛍光灯の発光効率50~110ルーメン、寿命6千~2万時間を上回る。

 県立工業技術センターでの試験では、生理食塩水に緑膿菌を入れて暗室内で約40センチの距離から光を照射した結果、5時間で約99%不活化させる効果を確認した。

 日亜によると、2005年に米国の大学が、波長405ナノメートルの光が細菌を酸化させて不活化する効果を持つとの論文を発表した。しかし、405ナノメートルの光は青紫色のため照明には向かない。米国の病院で手術室や待合室に導入例があるものの、白色LEDと組み合わせて使っているという。

 今回の製品は、405ナノメートルの紫色LEDの上に青、黄、赤の蛍光体を重ねて、自然光に近い白色発光を実現。出力、寿命といった課題もクリアし、照明と除菌の機能を両立させた。病院のほか、学校や食品工場、調理場、店舗の食品棚などでの利用が期待できるという。

 日亜はこれまでに、細菌やウイルスを不活化させる効果があるとされる深紫外LEDで、光出力が世界最高水準の製品を開発。新型コロナウイルスに対する効果も確認している。今回の白色LEDは、効果が見込める細菌の種類が限定的で新型コロナには効かない。その半面、人体への影響が大きい深紫外LEDよりも汎用(はんよう)性は高い。

 日亜は「身近な細菌の感染リスク低減に向けて幅広く利用してもらい、社会に貢献したい」としている。