知人男性を包丁で切り付けたとして殺人未遂罪に問われた元暴力団組員の男(46)=阿波市、無職=の裁判員裁判で、徳島地裁(藤原美弥子裁判長)は19日、懲役10年(求刑懲役13年)を言い渡した。

 裁判では弁護側が無罪を主張し、被告による暴行と殺意の有無が争われた。

 藤原裁判長は判決理由で「被告は包丁を手にするまでと、被害者の負傷に気付いてからの状況は明確に供述するのに対し、その間は全く記憶がないと供述しており、不自然」と指摘。被告と被害者が刃物を使ってけんかしたとする弁護側の主張を退け、被告の暴行を認定した。

 殺意についても「頭蓋骨の一部を切断するほど切り付け、さらに突き刺している。被害者が死ぬ危険性の高い行為と分かって行ったものといえる」と認定し、「動機に酌量の余地はない」と非難した。

 判決によると、被告は昨年2月3日未明、阿波市の自宅で知人男性=当時(47)=の頭を刺し身包丁(刃渡り約24センチ)で切り付け、腕や足を突き刺すなどして約6週間のけがを負わせた。