国立文楽劇場で33年ぶりに上演される「傾城阿波の鳴門」=1988年3月、大阪市内(同劇場提供)

 人形浄瑠璃文楽の殿堂・国立文楽劇場(大阪市中央区)の4月公演で「傾城阿波の鳴門 十郎兵衛住家(すみか)の段」が上演される。徳島ゆかりの「阿波鳴」が本公演で披露されるのは1988年以来33年ぶり。

 住家の段は、盗賊となって大坂玉造に身を隠す十郎兵衛と妻お弓(ゆみ)が娘おつると運命的な再会を果たす場面が語られる。十郎兵衛の留守中、お弓とおつるが出会う前半部は、徳島県民にも「順礼歌の段」として有名。続いて、十郎兵衛が誤っておつるを手に掛けてしまい、夫婦で悲しみに暮れる後半部が展開される。

 お弓を操るのは文楽人形遣いの第一人者として知られる桐竹勘十郎さん。この他、太夫の竹本千歳太夫さん、三味線の豊澤富助さんらが出演する。

 文楽劇場は昨年10~11月の秋公演以降、従来の昼夜2部制から3部制に切り替えている。新型コロナウイルス感染対策として観客らの滞在時間を減らすための措置だ。

 コンパクトな3部構成に適する演目の一つとして、阿波鳴が選ばれた。劇場が若者向けに開いている鑑賞教室では98年に披露されたものの、伝承のまま忠実に演じる本公演では33年ぶりとなる。劇場によると近年、太夫ら技芸員の世代交代が進んでおり、古典を継承する意義が大きいという。今回は第3部(午後6時開演、約2時間)に京都を舞台にした「小鍛冶(こかじ)」と共に披露される。

 第1部は「花競四季寿(はなくらべしきのことぶき)」「恋女房染分手綱(こいにょうぼうそめわけたづな)」、第2部は「国性爺合戦(こくせんやかっせん)」を上演。同劇場は「見どころがたくさん詰まっている。徳島の方にも興味を持ってもらえたら」としている。

 4月公演は、3日から25日まで。観劇料は1等席5500円(学生3900円)、2等席3500円。問い合わせは同劇場<電06(6212)2531>。

 国立文楽劇場は4月23日公演の観覧招待券(ペアチケット)を抽選でプレゼントする。第1部(午前11時開演)と第2部(午後2時)は各1組、第3部は3組。はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を書いて〒770―8572 徳島新聞社生活文化部「文楽劇場プレゼント」係まで。4月5日必着。