徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 熱性けいれん診療の中で問題になるのは、次に熱が出た時にけいれんを繰り返すかどうかの判断です。短時間で自然に止まり、後に神経症状を残さない一回だけの単純性熱性けいれんには予防処置は必要ありません。しかし再発を繰り返す熱性けいれんに対しては予防処置を行います。

 熱性けいれんを予防するには発熱初期にジアゼパム座薬を投与します。発熱が続けば8時間後に2回目のジアゼパムを使用します。ジアゼパムを2回使用すると発熱が続いても約3日間効果が持続します。熱性けいれんの予防に解熱剤は無効とされます。

 しかしけいれん予防に使用するジアゼパムは神経に作用する薬剤ですから眠気やふらつき、興奮などの副作用があります。従って単純性熱性けいれんの予防には使いません。

 けいれんを頻回に起こすと脳に微細な障害を残すことがあると言われます。このような頻回に再発する熱性けいれんにはジアゼパムによる予防処置が必要です。

 初めての熱性けいれんで予防処置が必要となることはめったにありません。熱性けいれんの再発を予測する因子としては次のようなものが挙げられます。両親のいずれかに熱性けいれんがある、1歳未満で熱性けいれんが発生した、発熱後短時間で熱性けいれんが発生した、39度以下の発熱で熱性けいれんが発生したなどが挙げられます。

 普通、熱性けいれんは加齢とともに起こらなくなります。ジアゼパムを使用して2年間けいれんが起こらなければ治ったと判断してジアゼパムを中止します。