恋愛映画の王道といえば、男女が運命的に出会って恋に落ち、数々の困難を乗り越えていく-。そんな物語を思い浮かべるだろう。そうした従来型のストーリーと一味違う作品を楽しみたい人には「(500)日のサマー」(2009年、マーク・ウェブ監督、ジョセフ・ゴードン・レビットら出演)をお薦めしたい。

(C)2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved. 

 主人公のトムは、新しい社長秘書のサマーに一目ぼれ。運命の相手だと確信するが、彼女は「愛なんて幻想」と言い切る恋愛観を持っていた。友人としてデートを重ねて恋人同然になるものの、彼女は一貫して恋愛感情を否定し続ける。トムは不本意ながらも友達以上恋人未満の関係を続けていくが-。

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 運命の恋を夢見る主人公と、愛を信じないヒロインとの出会いから別れまでの500日間を描いている。

 愛を否定しつつもトムを誘惑するサマーの思わせぶりな行動の真意とは。男性にとっては「女心は分からない」を地で行く展開になっている。一方、サマーの本心をにおわす伏線もちりばめられており、恋愛のシビアな現実を終盤で鮮やかに導き出している。

 全編にわたってユニークな演出を施しており、時系列を目まぐるしくシャッフルしたり、ミュージカル調のダンスシーンを盛り込んだりしている。それによって主人公の感情の浮き沈みを巧みに表現し、ともすれば単調になりがちなストーリーにメリハリを与えている。(記者A)

【記者A】映像ソフト専門誌編集者、フリーの映画ライターを経て徳島新聞記者を務める。映画関連記事の編集や執筆、インタビュー、ロケ現場の取材などに長年携わり、1年間で365本鑑賞した年もあるなど、映画をこよなく愛する。

 

ブルーレイ版1905円/DVD版1419円(税抜き、発売・販売元 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン)