ハロウィンスウィートの中身はオレンジ色。シンプルに焼き芋にするのが杉本さんのオススメ。

「2月に入ってなると金時の育苗が始まりました」と杉本さん。

 徳島で奮闘する若手農業家を訪ねた。就農した理由や実際に始めてわかったこと、仕事のやりがいや苦労、今後の展望についてなどホンネと現実をインタビュー。戦略を立てて農業というビジネスを楽しむ人、栽培した作物を使って加工品を生み出す人、新品種の研究に挑む人…。それぞれのやり方で自らの道を切り拓こうとしている。

杉本農園の杉本さん(34・鳴門市出身)

 21歳から家業であるサツマイモ農家として働く。鳴門市大津町でなると金時を主軸に、砂地栽培を活かした大根を生産。近所のサツマイモ農家が集まり「徳長芋屋本舗」を結成し、サツマイモの可能性を日々研究中。

■就農したきっかけ

 高校卒業後は石井町の農業大学校に進学しました。でも、忙しい両親を見て育ったので、なかなか就農の決心ができずにいました。あるとき先生に「なると金時の品種名は何やと思う?」って聞かれたんです。サツマイモ農家の息子でありながら、品種名は「高系14号」でなると金時というのはブランド名だと知らなかった。恥ずかしかったのと同時に、品種名を塗り替えてしまうほどのサツマイモを作り上げたのは凄いことなんだ、誇りなんだと実感しました。そのときに、今後もなると金時を残していかなあかん !と家業を継ぐ覚悟が決まりました。

■作っているもの

 なると金時がメインです。苗の選抜は個人で行い、ホクホク感と上品な甘さがある“らしさ”を大切にしています。裏作では大根を栽培しています。土壌が砂地で粒が細かいので、真っ直ぐできれいに育ちます。瑞々しく柔らかいので厚く切っておでんにすると最高ですよ。「徳長芋屋本舗」で選抜育種に協力して誕生したサツマイモ「ハロウィンスウィート」にも力を入れてます。βカロテンが豊富でしっとり系の品種です。収穫後すぐはアクが強いので、2か月間、成熟させて十分に甘みを出してから出荷します。

■流通について

 鳴門市のいせや農場に出荷しています。また、ネット販売や飲食店、製菓店との直接取引もしています。

■この仕事の魅力

 良くも悪くも自分次第なところです。サツマイモや大根を使ってみてほしい、と直接お店に掛け合ったり、SNSで農家目線の投稿をしたり、できることをやってみる。“田舎におるけんなんもできん !”はないです。今は、農業が楽しくて仕方ないです ! 

■今後の展望

 徳島の名産のなると金時はやっぱり美味しい、と改めて認識してもらうことです。綺麗な形に育てるのはもちろんですが“味”で勝負したい。そのために、手間を大切に栽培します。ハロウィンスウィートや砂地大根もなると金時と同じように、名前を見てまた手に取ってもらえるようなブランドに育てていきたいですね。

 昨年、「やる気があるんだったらやってみるか?」と父から農園を引き継ぎました。まだわからないことは多いんですが、自分のやり方を模索していきたいと思います。

雇用予定:なし
研修受け入れ:不可
見学受け入れ:不可