水揚げされる「すだちぶり」=鳴門市北灘町

 水産物卸会社の徳島魚市場(徳島市)と鳴門市北灘地区の養殖業者が、養殖ブリとカンパチで、環境や生態系の保全に配慮した生産者や加工・流通業者であると示す「マリン・エコラベル・ジャパン(MEL)認証」を徳島県内で初めて取得した。MELは国際規格として認められた水産物認証制度。知名度や信用度の向上が期待でき、付加価値を高めて消費拡大を目指す。

 MEL認証は、漁業、養殖業の各生産段階と流通加工段階の3種類がある。徳島魚市場が流通加工段階で昨年10月に、北灘地区の養殖業者延べ9社(ブリ5社、カンパチ4社)が養殖段階で今年2月に認証を受けた。

 各社とも約2年前から申請準備を進めていた。養殖業者は、魚粉をできるだけ少なくして植物性タンパク質の比率を高めた餌を使用。水質汚染につながる餌のやり過ぎを防ぎ、出荷作業に使う資材などの衛生管理も徹底している。

 徳島魚市場は、養殖業者の負担軽減と鮮度確保のため、北灘地区で養殖されたブリやカンパチを阿南市椿泊地区にあるいけすへ活魚船で運搬。競りの時間に合わせて生け締めにし、他の魚が混入しないように分けて徳島市の中央卸売市場に搬入している。

 認証の対象には、スダチの果皮を加えた飼料で育てた「すだちぶり」や「すだち若ぶり」、「うず潮ぶり」といったブランド魚も含まれている。徳島魚市場は、ポスターやチラシに認証マークを表示してPRに努める。

 徳島魚市場はブリやカンパチ以外にも幅広い魚種を扱っており、年間100万匹を超える。他の水産物でも取引先に認証の取得を働き掛けていく考えで、吉本創一社長は「消費者にMEL認証について知ってもらい、徳島の魚をもっと全国に広めたい」と話している。

 マリン・エコラベル・ジャパン認証 2007年に設けられた日本発の水産エコラベル認証制度。一般社団法人マリン・エコラベル・ジャパン協議会(東京)が運営しており、国連食糧農業機関(FAO)のガイドラインに基づいて審査される。19年12月、欧米の大手小売事業者などが食材調達基準に採用している国際規格としてアジアで初めて認められた。全国で漁業7件、養殖40件、流通加工47件が認証を受けている。