アカネの活用に向け、保存会発足を呼び掛けた西村さん夫妻。手前はアカネで染めた作品と、三好市内で採取した自生種=同市井川町岡野前

 古くから草木染めの原料として利用されてきた在来種「アカネ」の活用に向け、徳島県三好市井川町の住民らが「井川茜(あかね)保存会 茜の杜(もり)」を発足させた。市内にUターンした西村宏昭さん(67)秀美さん(66)夫妻=井川町岡野前=が町の山間部などに自生地があるのを知り、地域活性化につなげようと住民らに設立を呼び掛けた。

 西村さん夫妻は3年前、京都府から宏昭さんの実家がある井川町に移住した。趣味で織物を続けていた秀美さんが三好市内にアカネが生えているのを知り、調べたところ多くの自生地が分かった。

 秀美さんらによると、在来種は「日本茜」と呼ばれる。赤い根が染料として使われていたが、染色の難易度が高く、海外産の台頭などによって現在は入手が困難になっている。

 保存会は自生地を保全するとともに、苗作りなどで増殖を図る。将来的には染料としての販売や観光への活用を目指す。市内に2本残る「平家の赤旗」は日本茜で染められたとされ、赤旗の復元にも取り組む考え。2021年度は染め体験や定植のワークショップを開く。

 設立総会が14日に井川公民館であり、約50人が参加。西村さん夫妻は「自生はあまり知られていなかった。地元住民と協力し、日本茜を地域の新たなに魅力として育てたい」と話した。